異呆人

ノンフェータルなペシミズム

そういうのを「勉強になった」とは言わない

ちょうど転職しようかなどと思ってあれこれしているところだったので、久しぶりにお題記事でも。

 

記憶に残る仕事のエピソードというか、何年経っても忘れられないことが1つだけある。

新人のときに、赤字で仕事を受注したことである。

私が新卒で入社した会社で配属された事業所は、何年も新人が定着しない魔境のような場所だった。

定着しない理由を挙げればいろいろあるのだが、人によって刺さる理由はまちまちで、シンプルに言えば「恵まれない環境」だったのだと言える。

私が配属されたときも欠員補充で、ろくに引継ぎも受けないまま、OJTの名のもとに「もう1人で営業に回ってきていいよ」と言われたりした。

いや、そんな大学出たばかりの新人が、取引先の住所がわかる程度の状態で営業もへったくれもない。

と、今にして思えばそうなのだが、あの頃はそういうものなのだろうかと疑問に思いながらも、とりあえずは言われたように取引先を訪問していた。

 

さらに間の悪いことに、競合企業が近くに支店を出店してきた年だった。

相手はとにかく実績を作りたいから、赤字覚悟の安値を提示してくる。

こちらの言い値に近いような価格で買ってくれてた「良い取引先」にも尋常でない価格を提示され、「こんなに安くなるじゃないか!」と信用問題になりそうなところもあった。

価格は基本的に各営業担当者が決めていたので、私もどのくらい利益が乗っているかは知っているわけだが、決して不当に高値で売っているわけではない。

営業所の方針は「取引先は全件絶対死守」だったので、相手の見積り提示を出来るだけ早く把握し、それに値を合わせる形でなんとか受注を続けていた。

相手が諦めて撤退するまで体力勝負を挑む作戦なのだが、まあ新人には辛い仕事だった。

 

ちょうど勤めて2ヶ月頃で営業として外回りを始めた頃、長く良い付き合いをしてきた取引先に競合企業が見積り提示をしてきた。

私は競合企業と初めての相見積りだった。

営業所長から「絶対に失注しないように」と言われて訪問したわけだが、行って相手の見積りを見て仰天した。

相手の売値がこちらの仕入値より安いのである。

ただでさえノウハウを持ち合わせていないのに、仕入れ値を下回る提示価格に対する対策など考えられようはずがない。

事務所に連絡しても所長は留守だった。

持ち帰って検討させてほしいと取引先に伝えたが、「値を合わせるならこの場で」と聞いてもらえなかった。

かくして、私は仕入れ値を下回る価格で受注することになったのである。

 

事務所に戻ったら、当然ながら営業所長に叱られた。

新人の私からすれば、「絶対に取って来いって言ったじゃん」という感じなのだが、まあそんなことは通じない。

「どうするんだ!」と言われたので「だったら自腹で払います」と答えた。

確か、5万円の品を4万円で売ったくらいの取引だったので、払えないことはない。

そうすると「そういうことじゃないんだ!」とのたまう。

「じゃあどういうことなんだよ、教えてくれ」という感じである。

結局は、所長が仕入れ先に掛け合って、特別に仕入れ値をかなり下げてもらった。

「こうするんだ!」と所長は得意げだったが、そんなことを入社2ヶ月の新人に求める方がどうかしてると思う。

 

まぁ、大甘の評価をして、「いい勉強になった」と言うことはできるかもしれないが、冷静に考えれば「そりゃ人もすぐ辞める」という話である。

今は、ちょうど学生が新社会人となる季節。

こういうロクでもない職場に出会ってしまったら、タイミングを見計って離脱することをオススメする。

我慢できるうちは我慢して、忍耐力とスキルを磨くのも1つだが、復帰不能なほどのダメージを受けたら元も子もないからね。

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by 株式会社Jizai「転職nendo」