異呆人

ノンフェータルなペシミズム

立場の違い

仕事が忙しい。

それは前々から変わっていないのだが、忙しさの種類が変わってきたと思う。

夏過ぎくらいまでは、とにかく手が足りないという状況で、要は作業の量が膨大であった。

「手が動けば誰でもいいから欲しい」みたいな状況で、派遣社員でもバイトでも何でもいいから事務員が欲しいと主張していた。

まぁ実際それくらい逼迫した状況で、私の残業量も尋常でなくなっていたので、そこは主張が認められて1人採用してもらえることになった。

「誰でもいい」とは言ったが、どうせ採るなら長く勤めてもらえる方がいい。

だから私も人生で初めて採用する側として面接をしたりもしたのだが、紆余曲折あって結果的に他部署で契約終了となる派遣社員さんに来てもらうことになった。

そのあたりの経緯まで書くと長くなり過ぎるので割愛するが、私としては不本意だが認めざるを得ないというような結果である。


実際のところ、来てもらった派遣社員さんは必要最低限のことはできるが、明らかに十分ではなかった。

他部署での仕事ぶりを見て、私は最初からそれを危惧していたのだが、最終的にこの結果を後押しした部長でさえ、「やっぱり3ヵ月でお断りするか?」と言い出す始末である。

ただし、今そんなことをしてコロコロ人を変えている余裕はない。

贅沢は言ってられない。

少なくとも当初「手が動けば誰でもいい」と言ったように、最低限の事務処理は請け負ってもらえている。

私の作業量に少し余裕ができたのも事実である。

前置きが長くなったが、そんなこんなで多種多様な事務処理を高速で捌いていた状況は少し減り、いわゆる考える仕事の量がものすごく増えている。

時間が足りないという点では変わりないが、ひたすら時間との戦いを求められていた状況から、頭と胃が痛くなるような内容を時間をかけて考える状況に変わっている。


以前に書いたが、上司の部署異動のせいで、私はその上司がやっていた部長の仕事をする羽目になっている。

立場はいわゆる主任クラスのまま。

対外的にだけ示しがつかないので、なぜか名刺だけ課長にされている。

日中の過半が会議や打ち合わせになることもあるし、いろんなメールが飛んできて対応を求められたり、社外や他部署との調整に時間や労力を割いたりしている。

会社の体制が今年の4月から大きく変わっているので、前例がないことも多い。

「あるべき姿になっていない。だから何をどう変えなければいけない」というのはまだ良い方で、「そもそもどうあることが正しいのか」というところから議論しなければならないこともある。

そしてその議論を主導するというか、方向付ける必要があるのが私だったりすると、頭も胃も痛くなろうというものである。


苦情とか取引先の事務不手際をまとめる役割もある。

どうにもならなくなった案件が回ってきて最終対応をすることになったり、部署として苦情などを取り纏めて報告したり、再発防止策をまとめたり、「それじゃ不十分だ」「そもそもなんでこんなことが起こるんだ」などと言われて擦った揉んだしたりしている。

取引先の管理、営業の管理、苦情等の管理、それに加えて来年度作る新しい部署の体制作りもある。

何名採用し、そこでどんな業務を担うのか、目標を達成するために何をいつまでにどんな方法で行うのか。

報告書をまとめて、ああでもないこうでもないと方々から言われ、頭を抱えては調整に走り回る。

極め付けは、そこの管理も今の業務と兼務で私が行うことである。

明記はされてないけど既定路線。

「兼務」と言ったら、監査役には鼻で笑われた。

私だって自分ごとながら笑ってしまう。


そんなこんなで、頭の中が毎日パンクしそうなのだが、それでもときどき雑務をしていたりして怒られる。

荷物運びとか、倉庫の整理とか。

そういう単純作業が好きなのもあるし、そういう単純作業に逃げたいという気持ちもあるかもしれない。

「そういうことは人に任せろ。お前にやってもらいたい仕事はもっと別にある」と上司から言われ、それはその通りと思いつつも、どこかしら釈然としないところがある。

偉くなりたくないというか、偉くなったと思いたくないというか。

いや、偉いとか偉くないとかではなく、単に役割の違いでしかないのだが、指示だけ出して自分が動いていないと、偉くなったと勘違いしてしまいそうで怖いのである。

なんというか、昔から持っている権力みたいなものへの反骨心もあるのかもしれない。

あとは単に自分の中の時計が止まっていて、まだ若手だという意識があるのか(いや実際まだ若い方だとは思うが)。


久しぶりにストレスらしいストレスに曝されながら、歯を食いしばって前に進んでいる。

必要なのは、覚悟と適度な開き直り。

やるだけやって、できなければごめんなさい、である。

それは立場が変わっても変わらないこと。

自分の身の丈で勝負するのみである。