異呆人

ノンフェータルなペシミズム

仕事がたくさんあることより、どれだけあるかもわからないことが怖い

仕事の話。

4月に会社として大きな転換点を迎えた。

以前にも少し書いたが、私自身も携わる業務が変わっている。

一応、今までと同じ営業の部署に所属しながら、兼務として管理部門にも所属することになった。

実際にはほとんど管理部門の仕事しかしていない。

営業としてわずかに担当の取引先が数件残されているのだが、訪問している暇がない。

会社に缶詰である。

今回の会社の組織変更でほとんどの部署は実務的には影響がなかったのだが、私が兼務することになった管理の部署だけは大波が押し寄せたあとのような惨状を呈している。

期限である3月末までに最小限のミスで書類を揃えることはできたが、その後の書類の処理がなかなか進まない。

社外との調整が必要な最優先の書類だけを捌くのが精一杯で、当初見込んだスケジュールがじわじわと後ろに倒れている。

書類が処理できないから、基幹システムのデータを最新の情報に更新できない。

基幹システムの情報が最新ではないから、管理業務のあちこちに滞りが発生している。

基幹システムの情報更新も社外のシステム会社に依頼しなければならないものもあるので、期限のあるものはそれに間に合わせ、延ばせるものは延ばしながら最低限の作業だけをギリギリでこなしている。

毎日残業である。

家を6時半に出て8時に出社し、20時半まで仕事をして家に帰り着くのが22時というルーティン。

食事もデスクで10〜15分で済ませ、休憩なしで業務に戻る日々である。

 

とにかく人が足りない。

管理の部署は諸々の事情から他部署に人員を引き抜かれ、1名減の状態で4月を迎えていた。

抜けた人が担当していた業務についてロクな引き継ぎがされないどころか、人員の手当てすらされない。

11人が10人になってもサッカーなら大ごとだが、4人が3人になっているのである。

一応私を兼務として引き入れて頭数を足したように見せかけているが、私がやる仕事というのはこの非常時の後始末と組織変更に伴う新しい業務運営体制の構築であり、管理の部署が行う日常業務ではない。

現場の事務スタッフは業務過多で不満が暴発寸前の状態であった。

私は2月半ばから実質的に管理の部署の仕事をしていたので、この人員不足については把握していた。

3月半ばには管理の部署と関係する部署の部長陣を集めて「このまま4月を迎えたら崩壊しますよ」と注進もしていた。

にも関わらず4月に入っても何の対応もなされていなかったので、現状をA4用紙1枚の訴状にまとめて役員に直訴した。

(すぐにこういうことをするからめんどくさい奴だと思われる)

結果的には人員は補充できないということになり、業務分担だけ見直されて現場の負担軽減が図られた。

といっても、どんなに仕事を散らしても人が1人減った穴は埋めようがない。

現場は日常業務で精一杯である。

非日常業務まで手が回らない。

だから実質的には私1人で非常時の後始末をしている。

もちろん後始末以外に新しく構築しなければならないこともたくさんあるわけで、もう先を見やると眩暈がしそうな状況である。

 

管理の部署の部長は悪い人ではないし、むしろ献身的ですらあるのだが、事なかれ主義的なところのある人で、積極的に物事の解決には当たってくれない。

何か問題があれば自分が謝ったり、身を粉にしてその分働けばいいと思っている。

問題が発生しないように手を打ったり、問題が発生する構造そのものを見直すようなことはしてくれない。

仕事はきちんとしてくれていて、それどころか大いに忙しくされていて、だからそこまで求めるのは酷だとも思うのだが、問題への対処ではなく現状を根本から変えるような解決策については、二度三度同じことをお願いしないと前に進めてくれない。

そんな状況なので、部長を含め部署全体が、自分たちがやらなければならないことの全体像を把握できていない。

それが一番怖い。

部分部分、おぼろげに何をやらなければいけないかとか、いつまでにやらなければならないかということは認識しているようだが、ときどきに思い出したり意識する程度である。

私も全部は把握していない。

3月末までの業務は全てロードマップを作っていたのだが、4月以降はあまりにバタバタしすぎて目の前の業務の対処しかできていない。

もう一度全ての業務を洗い出してスケジュールに落とし込んでいくことが必要なのだが、それが必要だということが認識されていない。

危機感が共有されていない。

というか、危機感を持っているのが私1人になってしまっている。

よくわからないままバタバタしていて、蓋を開けたときに、にっちもさっちも行かなくなっているような事態は避けたい。

しかし如何せんすぐにでも手を打たなければならないことが多すぎて、先を見通すような作業ができていない。

 

そんな状態にも関わらず、自分が担当していた取引先の引き継ぎのために出張もしなければならない。

営業の部署は営業の部署で、相変わらず仕事をしない部長のせいで全体の統制が効かず、大打撃を被る事態になってしまっている。

親会社から戻ってきた社長も、いきなり激昂するような惨状。

同僚からどうしたらいいか相談は受けるし、できる限り考えて回答はするのだが、如何せん管理の部署の仕事はそれ以上に大火事になりそうな状態で、営業部門は同僚に任せきりになってしまっている。

この状況で来年度に部署を新設するために、年度後半から私をそちらに関わらせるというなら、今の管理の部署の仕事は一体どうするというのか。

後始末が終わって新しい体制の構築が済んだとしても、今度はその新しい体制を運用していくための人が必要なのである。

周りを見回しても適材がいない。

私もそんなに大きな仕事はいくつもできない。

管理の部署の新しい体制の構築と運用も、新しい部署の創設もそうなのだが、何か新しいことをする、そのためのルール作りや基盤作りをするということは、ものすごくエネルギーの必要な作業なのである。

できれば手を動かさずに、ああでもないこうでもないと云々唸りながら考えたいところである。

データ整備とか書類チェックで手を動かしながら考えるのはかなり辛い。

 

ただでさえ、体制そのものを変えているから、新しいやり方に慣れない人からの質問も多い。

そういった質問に答えたり相談に乗ったりするときは流石に手を止めるから、そのぶん作業が止まってスケジュールが遅れる。

新しい仕組みが浸透していないと思えば、説明資料を作って周知を図る。

部署の兼務で関わる業務が増えたので、出席しなければならない会議の数も飛躍的に増えた。

何から手をつけたらいいかわからなくなりそうで投げ出したくなるが、根気よく絡まった糸を1つずつ解きほぐすように、それでいて時間がないので優先順位をつけて迅速に処理するようにしている。

お陰様でしばらく鳴りを潜めていた胃痛が再び顔を出し、悶絶しながら飯を食ったりしている。

夏が終わるまでには落ち着かせることができるだろうか。

まだまだ先は長いし、どれだけ長いのかもわからない。