異呆人

ノンフェータルなペシミズム

子供の単純さと大人の複雑さ

長いGWは子供と過ごす時間が多くとれたという点では良かった。

平日だとどうしても起きている様子を見る時間が限られている。

まして世話をする時間などない。

私が家に帰る時間では、飯を食って風呂に入ったらもう寝る時間である。

もちろん休日は積極的に世話をする。

授乳をミルクに替えさえすれば、私と妻でできることに差はない。

月に何度かは妻に1人で外出してもらうようにもしている。

専業主婦といっても、幼い子供の世話は楽ではない。

四六時中一緒にいては気が滅入ることもあるだろう。

たまには子供のことを気にせずに自由に時間を使えばいいと思っている。

 

子供が生まれる前、父親が1人で子供の面倒を見ることの大変さを綴ったネットの情報などに何度か目を通すことがあった。

いわく、特に配偶者に収入がなく家事に専念している場合、収入のある側は配偶者に対して「仕事をしていなくて子供の面倒を見るだけなら楽でしょ?」と思いがちである。

ところがいざ自分1人で面倒を見てみるととても大変で、配偶者の普段の育児と家事に感謝することになる、というオチの付いているものである。

私も家事・育児が大変であるという認識はあるが、実際に付きっきりで面倒をみるとそんなに予測不能なことが次々起こるものかと身構えていた。

が、実際に半日面倒を見てみると、なんということはなかった。

子供の世話をしながら、子供が寝ている間に夕食の準備をしたり、十分に他の家事をすることができた。

たぶんそんなコラムや記事を書く人(主に男親)が、普段から育児に携わらなさすぎるだけである。

そりゃあオムツもロクに交換したことがなく、ミルクもあげていないならそうなるだろう。

以前に書いたが、育児の最も大変なところは3時間おきの授乳で睡眠時間が削られることであり、それ以外の手間というのは家事全般と大差ない。

睡眠時間が削られるから体力的に余裕がなくなり、普段なんでもなくできる家事も重労働になってしまうのである。

私が休日に育児と家事を難なくこなせるのは、所詮余裕のある状況だからだと言える。

 

しかし個人的には、子供の相手をすることは大人を相手にするより遥かに楽だなと思う

単純だから。

手がつけられないほど大泣きすることもあるが、泣く理由というのは「ミルクが欲しい」か「オムツを替えて欲しい」か「構って欲しい」か「眠くてぐずっている」かのどれかである。

理由に検討もつかないが大泣きするような状況というのは、大抵最後の「眠くてぐずっている」状態で、この場合は残念ながら眠るまで大泣きの状況と向き合わざるを得ない。

大人だって寝つきには個人差がある。

辛抱と根気である。

理由がわかれば対処法もわかる。

そして乳幼児の場合、「AならばB」というように原因と対処法がシンプルに繋がる。

原因究明と対処をいかにスムーズに行うかが問題となるに過ぎない。

 

これが大人となると、そうはいかない。

機嫌が悪くても原因究明すらままならないこともある。

「どうしたの?」

「どうもしてないよ!」

「いや、怒ってるじゃん」

「怒ってないわよ!」

「ほら、怒ってるじゃん!」

というように、不毛なやり取りの果てに何も得られないこともある。

それを思えば、子供のなんと単純で相手のしやすいことか。

感動すら覚えるほどである。

眠くてぎゃんぎゃん泣いていても、いつか泣き止むと思えば辛抱強く抱き続けることができる。

どこに怒りの地雷があるかわからないクレーマーを相手に、我慢して話を聞き続けることを思えばなんということはない。

子供は相手をするだけで笑みを投げかけてくれる。

たまにプレゼントをあげても「何か違う」と逆に不機嫌になられるようなことはない。

素晴らしい。

 

もちろん、人間というのはその複雑さゆえに、本能だけで行動しないがゆえに、これだけ地上に跋扈することができたのだと思う。

笑顔で握手しながらテーブルの下で相手の足を踏みつけるようなことができるからこそ、手加減したり、相手を思いやったり、自分を犠牲にして誰かのために何かをすることができるのである。

つまりは進化である。

理不尽なあの人も、理解不能なあの人も、救いようのないように思えるあの人も、人類が進化した結果である。

そう思えば、普段感じる怒りも幾分和らいだらしないだろうか。

いや、絶対しないな。

子供みたいに単純な大人を見ていて腹の立つこともあるから、単純だからいいというわけでもないのだろうし。

御しやすくはあるかもしれないけど。

 

さておき、単純な我が子の不機嫌の原因究明にも慣れてきたので、私は妻より寝かしつけが上手である。

あやすのも上手になったためか笑顔を向けてくれることも増えた。

こういう風に育児だって結果が目に見えるから、仕事なんかよりも全然やり甲斐があると思う。

本当に専業主夫になりたいくらい。

GW期間中は仕事してる方が楽かもとか思っていたが、GWが開けてのえげつないほどの業務量と容赦なく迫り来る期限に閉口して前言を撤回する。

最近、フル出力を求められる期間が長すぎてさすがに疲れてきた。

周りはそろそろダウンし始めているが、無駄に頑丈な私は倒れる気配すらなく余計に業務が集中する。

以上、ただの愚痴。