異呆人

毒にも薬にもならない呟き

広いっていいね

引越しが完了した。

当初は休みを取っていたのだが、私の休日予定に気付かず上司が大事なアポイントをその日で取ってしまったので、午前中に引越しの搬出をして昼に仕事をし、夕方には家に帰って片付けをするというスケジュールになってしまった。

共有のスケジューラには予定を入れていたが、私がきちんと予定を伝えなかったし、先方にアポの日程を投げるCCのメールもよく確認していなかったので、これは私にも非がある。

ちょうど今やっている新しい仕事に関するもので、私がいないと始まらないし、かといってこちらから日程を投げておいてリスケジュールするのも失礼である。

なので妻には申し訳ないが、搬入はすべて任せて仕事に行くことにした。

幸い、義父が休みを取って手伝いに来てくれた。

私の仕事の予定が入る前から手伝いに来てくれることになっていたので、「特に手伝ってもらうこともないのにな」などと思っていたが、結果的に助かった。

荷造りは少しずつ進めていたが、やはり間際まで使うものも色々あり、先週の3連休は土日が仕事の出張だったこともあって、直前までバタバタした。

自分1人の荷物ならダンボール箱も片手で数えられる程度になるのだが、結局30箱もらったものをほとんど使ってしまうくらいの荷物になった。

私は使わないものというか、実用性のないものはほとんど所有しないのだが、妻には残しておきたいものや飾りたいものがたくさんあるらしく、その差が荷物に如実に表れている。

別に悪いというつもりはない。

所詮は価値観の違いである。

 

9時に引越しの搬出開始、13時に新宿というタイムスケジュール。

時間的にギリギリなので、スーツに着替えた状態で搬出に立ち会った。

荷物の量はそこそこだったが、綺麗にまとめてた方だと思うので、作業は順調に進んだ。

唯一、時間がかかったのはベッドの解体作業である。

我が家はIKEAのベッドを使っているのだが、これの組み立て方が特殊なのである。

よって、解体も特殊というか、はっきり言ってめんどくさい。

だからこそベッド解体込みで引越しの見積りを取ったのだが、業者もスムーズに解体できなかったようである。

結局、搬出に2時間近くかかり、仕事に向かうのにギリギリの時間になってしまった。

 

それから仕事の訪問先のある新宿へ。

昼を食べる時間がないので、道中、おにぎりだけ囓る。

新宿に着くと上司2人と合流した。

今やっている仕事の厄介なところに、それを進めるにあたって同業他社のグループ会社にシステム開発を頼まなければならないというのがある。

以前にもそのことの是非は社内で議論されたことがあり、そのときは否定的な意見が多く開発依頼をしないことになっていた。

今回もライバル企業に依頼してまでこの業務を拡大するか議論の余地があるのだが、そもそも向こうがライバル企業であるうちの会社のシステム開発を請け負ってくれるかという問題がある。

だからまずは見積もってもらえるかどうかを確認するために、いわば相手の本拠地に乗り込むのがその日の仕事だった。

高層ビルの随分見晴らしの良い階、ワンフロアすべてがそこの企業グループ。

全室ガラス張りで「透明性」をアピールされたオフィスは、親しみやすさよりは威圧感を感じさせる。

これでは中で仕事をする方も大変だろう。

まぁ、うちの会社なんぞはそれ以前の問題で、足元にも及ばない。

先方はグループ会社とはいえ、わざわざ社長も出て来て対応してくれた。

お陰でメインで話をする私にかかる圧が増えた。

といっても、とりあえずは最初なので鞘当て程度。

問題がたくさんありそうだが、あとは相手の出方次第である。

 

仕事を終え、上司と別れて直帰。

15時過ぎには新居に着いた。

大まかな家具の配置は業者にやってもらっていたので、義父と妻はダンボール箱の荷物を開け始めていた。

それから次々と荷物が届く。

部屋数が増えて手持ちで足りないので照明器具を買ったし、坂が多いので妻のために電動自転車を買った。

あとガスコンロや押入れで使うパイプハンガーなど、足りないものを買っていたのがまとめて届いた。

積み上げられた荷物にさらに荷物が増える。

さらにはガスの開栓で業者が来る。

てんやわんやである。

とりあえずスーツから着替え、日が暮れる前に天井照明だけ設置してしまう。

義父は私と入れ替わりで帰った。

夕飯でも一緒にと思ったが、「車で来たから酒が飲めない。だから家で一杯やる」とのことだった。

まぁ、また来月には一緒に旅行に行く。

団欒はそのときでもいいだろう。

 

荷物を片付けていたら、ガス会社から「微量だがガス漏れがある」と言われた。

工事業者が来るのは翌日になるらしい。

ガスが使えないので風呂に入れない。

仕方ないのでネットで調べ、隣駅の近くにある銭湯に向かうことにした。

バタバタは続く。

なんせ翌日からまた1泊2日で出張なのである。

出張中、最低限妻が過ごせるようにはしておかなければならない。

パイプハンガーをすべて組み立てて衣類の整理ができるようにし、よく使う食器だけ出してしまい、テレビや電子レンジなどの配線回りだけ整備した。

とりあえずの買い物も済ませたので、2日くらいは問題なく過ごせるだろう。

お陰で私のエネルギーはほとんど残っていない。

翌日は最寄駅の始発で羽田である。

 

ただ引越して良かったなと素直に思えている。

何より広い。

間取りが1DKだったのが、3LDKに一気に増えた。

平米数でも1.8倍くらいである。

山ほど荷物が届いても、「とりあえずこの部屋に避難」という手がある。

スペースがあるので家具を組み立てるのも楽だし、空間にゆとりがあると気持ちが落ち着く。

何なら少し狭いくらいが私は好きなのだが、家族で済むことを考えると考え方を改めないといけないなと思わされる。

それだけ広くなって前より家賃が1万円も下がるのだから、多少古かろうが問題ない。

傷は多いが肝心の所のリフォームは綺麗にされているし、駅からの距離などの利便性も悪くない。

最初の部屋を選んだときは日当たりだとか築浅だとか言っていた妻も、2回目の引越しにあたって住み続けるのに必要なこと、妥協すべきことを理解したようである。

 

喧騒と程遠い住宅街で、街も気に入っている。

駅前には24時間開いているスーパーもあり、ほとんどのものはそこで揃う。

実は迷っていた物件がもう1つあり、いつもは妻の意見を優先するのだが、今回は私の意見を優先してもらった。

家賃が安かったという理由が大きいが、直感的に良いと感じたというのもある。

私はあまり勘の働く方ではないが、働くときは当たる方である。

とりあえず、出張から戻ったら残りの片付けをしなければならない。

週末にはエアコンの取付工事がある。

やらなければならないことは多いし、その状態がしばらく続く。

たまにはこういうギリギリも悪くないけど。