異呆人

毒にも薬にもならない呟き

コンセンサスと書いて合意と読む

新しくやっている仕事が結構楽しい。

プレゼン優勝の結果、参加することになった業務なのだが、経営陣を前にやった効果があってか、すごく意見が通りやすくなっている。

いつもなら「尖った若造の意見」的に御仁たちに受け取られ、「君、そうは言ってもねぇ」みたいに窘められるのだが、今回は「その業務に精通した者の進言」みたいに聞いてくれる。

実際には私が精通しているのでなく、誰もわからないブラックボックス的になっていて、周りがわかろうとしないだけである。

以前は本当にこの業務に精通した人がいたのだが退職してしまい、引き継ぎをしたのが私が嫌いなB部長だったのだが、彼は仕事をする気がないため詳細が闇に葬られてしまった。

というか、その人が辞めたのも半分以上は当時上司だったB部長があまりにも何もしなかったからで、まぁそれを言い出すと愚痴しか出ないのでこの辺りにしておく。

 

まだその業務はB部長管轄なのだが、今回は「朱天がメインで進めていいよ」と直属上司のA部長からお墨付きを得ているので、全体の動きより先回りしてアレコレやっている。

この業務は今は複数の部署を跨いでなされているので、互いに責任の押し付け合いみたいになったり、責任の所在が曖昧になったりしている。

だから今後は専門の部署を創設することを検討している。

そこでどんな業務をどこまで担うか、どれくらいの人員が必要か考えるのも、私のミッションの一つである。

 

この仕事の何が楽しいって、皆から必要とされているところにある。

営業部にとってはこの業務を拡大することは悲願とも言え、「何とかして前に進めてほしい」という期待をひしひしと感じる。

もう一方の内務の部署でも「不満や改善の要望があるのに誰に言ったらいいかわからない。何とかしてほしい」という状態で、話を聞くとあれだこれだと色々出てくる。

そうやって皆もっと良くしたいと思っているのだが、何をどうしたら良くなるのかわからない。

そのぼんやりしたものを一つ一つ解きほぐし、道筋をつけ、形にする。

私はこういうコンサルティングみたいな仕事が好きで、それを半ば好きにやっていいと言われているのだから、まぁ楽しいのも当然かもしれない。

 

ただ調子に乗ってゴリゴリ進めず、慎重に一つ一つ解決するようにしている。

何か新しいことをするとき、今までと違ったことをするときは、関係者のコンセンサスを得ることが最も大切である。

コンセンサスとは、合意とか賛同とかいう日本語が当てられるらしい。

馴染み深い言葉で言えば、「根回し」である。

実際に物事が進んでから「もっとこうしてほしかった」とか、要望や不満が溢れると目も当てられない。

「それ、先に言ってよ!」という奴である。

特に実際にその業務の最前線に立つ現場の人のコンセンサスを得ることは重要である。

これができていないと、「上の要望で作ったけど現場では使われないもの」が出来上がる羽目になる。

 

普段はこういうコンセンサスは各部署の上長に取り、「部署員には上長がコンセンサスを取っておいてね」とするのだが、今回はできるだけ現場に近いキーマンに直接コンセンサスを得るようにしている。

なぜなら現場の人間も目の前の不満や課題はあるが、それをどうやって解決するのがベストかわかっていないからである。

わかっていない人の話を聞く上長が、コンセンサスを得るに足るだけの理解があるとは思えない。

まずは現場の人にわかってもらうこと。

何をわかってもらうかと言えば、目標と課題である。

 

これから何をしようとしているか、それにはどんな効果があるか。

今どこでどんな課題があるのか。

それを関係者全員、特に現場に近い人に共有してもらう。

システムの導入なんかでもよくあるが、最終的には効率的になるものでも、導入当初は負荷がかかるものである。

目標と課題が共有されていないと、「何で私ばかりこんなしんどい思いをしないといけないのか」と思ってしまう。

ゴールが見えていれば今多少つらくても頑張れる部分はあるだろうし、自分の負荷がどこがどう良くなることにつながっているか理解できれば受け入れやすくもなるだろう。

特に今回は関係部署が複数あるので、「自分たちにシワ寄せが来ている」と思われないようにしなければならない。

 

今まであまり話をしなかったような人にいろいろ話を聞くのも面白い。

あぁ、この人はこんなことを考えて仕事をしていたのか、と新しい発見もある。

私自身が夏前くらいまで仕事が暇だったので、エネルギーを持て余していたのもある。

いい感じにエンジンが温まってきた気がする。

ただ直近で一つ困ったことがあり、この業務を進めるのにシステム開発が必要で、それを依頼に行く日が家の引越し日と重なってしまったのである。

先方の都合とこちらの同行者の都合とを考えると、避けようがなくなった。

今回は代わりも頼めない。

なので午前中に引越しをして、ちょうど新居に荷物を運び込んだ直後くらいに仕事に向かい、終わったら家に直帰して荷物を片付けるというスケジュールである。

しかも翌日から1泊2日で出張。

妻には詫びるしかない。

あまり楽しんでばかりもいられないか。