異呆人

ノンフェータルなペシミズム

TCG、DCGにおけるアーキタイプ、デッキタイプに関する考察

先日、twitterTCG(トレーディング・カード・ゲーム)やDCG(デジタル・カード・ゲーム)におけるアーキタイプについて話題になった。

いわば「こんなデッキ」というタイプ分けのことなのだが、私自身よくわかっていない。

そこで、改めて自分なりにまとめて考えてみようと思い、この記事を書くことにした。

ここまでがいわば経緯。

 

ということで本題。

まず「アーキタイプ」とはなんだろうか。

そもそもアーキタイプという考え方がMTGマジック・ザ・ギャザリング)が源流となっている。

そこでMTGに関する用語をまとめたMTG wikiというサイトを参照しながら考えてみたい(http://mtgwiki.com/wiki/メインページ)。

アーキタイプとは

アーキタイプ(Archetype)とは、原型、雛形の意。転じてマジックにおいては、デッキのコンセプトや動きを加味した“根本の構成”のことを指す。

意味がデッキタイプと似通っているが、こちらの方がより固定的または根幹的な意味合いが強い。例えばビートダウンといえばその中には白単色白ウィニー赤緑ステロイドも含まれるし、コントロールといえば青白コントロール黒コントロールも含まれる。言い換えれば、コントロールというアーキタイプの中に青白コントロールや黒コントロールといった様々なデッキタイプが存在する、といったところか。

つまりはそのデッキの「思想」といったところだろうか。

どういったスタイルで勝ちを目指すか。

「戦略」とも言えるかもしれない。

このアーキタイプとして、公式から6つのアーキタイプが示されているらしい。

アグロ:最序盤から軽い脅威を展開し、速やかに対戦相手を倒す。

ミッドレンジ:3~6マナ域の脅威を攻防に回して戦う。マナ加速を伴うこともある。

ランプ:序盤はマナ加速を連打し、そこから少数の重い脅威を展開する。

コンボ:特定のカードの組み合わせなど、変わった戦略で勝利を目指す。

コントロール:対戦相手の脅威を妨害し続け、最後には少数の脅威でゲームを終わらせる。

撹乱的アグロ:脅威を展開し、それに対する除去と対戦相手の脅威を、カウンターなどで妨害しながら戦う。

CG(カードゲーム)でよく言われる「アグロ」「ミッドレンジ」「コントロール」といった区分は、ここから来ている。

相性もあるらしいが、ここでは割愛。

次いで、公式見解以前によく用いられていたアーキタイプの3分類があるらしい。

それがビートダウン、コントロール、コンボデッキである。

ビートダウンは、妨害される前に優位に立てるためコントロールに強い。

コントロールは、コンボパーツを狙い撃ちできるためコンボデッキに強い。

コンボデッキは、コンボパーツ対策が少ないビートダウンに強い。

先日、「アグロ」と「ビートダウン」の区別がつかないということが話題になったが、これを参考にするなら「アグロ」と「ビートダウン」はそれぞれ区分の種類が違うので比較する対象ではない。

「アグロ」という言い方をする区分もあれば、「ビートダウン」という言い方をする区分もあるということである。

意味合いとしてはほぼ同義ということだろう。

つまり序盤からクリーチャー(ユニット)で攻撃していくデッキは、「アグロ」といっても「ビート」といっても差し支えない。

さらにwikiでは著名なデッキビルダーらしいFloresによる分類が記載されているが、こちらはもっとMTG個別の要素が強くなるので今回は考察の対象外とする。

今回最初に挙げたMTGの公式が提示した6つのアーキタイプというのは、どのTCG・DCGにも概ね当てはまる概念と言えるのではないだろうか。

もちろんきちんと分けられるものばかりではなく、それぞれの境目のようなデッキはたくさんある。

あくまで根本的な思想として「どういう風に勝ちを目指すのか」という分類としては非常に万能だと思う。

 

これと合わせて、「デッキタイプ」についても考えてみたい。

・デッキタイプとは

デッキタイプ(Deck Type)とは、大まかな構成要素が決められたデッキを細かく分類するのに使われる言葉。

アーキタイプ(雛形)に似通っているが、アーキタイプの下位概念にあたる言葉である。 具体的には、ステロイド白ウィニーは、同じビートダウンアーキタイプに属する異なるデッキタイプのデッキである、などというように用いられる。

この記述をもとに考えると、デッキタイプというのはアーキタイプの「思想」に対して「方法」だと言えるかもしれない。

「戦略」に対する「戦術」である。

具体的にどういった方法で戦うのか、あるいはどんなカードで戦うのか、といった分類である。

例えば、同じ序盤からクリーチャーを展開して戦う「アグロ(ビートダウン)」であったとしても、1,2マナ(コスト)のユニット中心で戦うなら「ウィニー」になるし、自傷クリーチャー中心なら「スーサイド」だし、コストに対するスタッツが高いクリーチャー中心なら「ストンピィ」になる。

そう考えると、非常に収まりが良いと感じる。

まぁ、このアーキタイプとデッキタイプに関する考察はMTGwikiをベースにしているが、wikiの信憑性がどの程度かわからないので、参考程度に留めておいてもらえると幸いである。

 

さて、このアーキタイプやデッキタイプといった考え方は、あくまでMTGについての話である。

以前、MTGはすべてのTCG・ DCGの源流であるといったことを書いたことがある。

デュエルエクスマキナ日記 〜朱天のコントロール指南①コントロールイシスのススメ〜 - 異呆人

だからMTGをプレイしたことのある人たちが他のCGをプレイすることも多いだろう。

そしてそこでMTGで使っていた用語を流用するので、今日、こういったアーキタイプが他のCGのプレーヤーにも広まっているものと思われる。

しかし留意しなければならないのは、MTGと他のTCGとはシステムが違うということである。

例えばMTGの特徴的なシステムとして、インスタント(インタラプト)タイミングで行動できること、それにより処理が一旦スタックに上がり、順に解決されることがあると思う。

そのシステムを活かした代表的な効果としてカウンター(打ち消し)がある。

詳しく書くと長くなるので省くが、要は相手がプレイしたカードを無効にする効果である。

どんな強力なスペルやユニットでも無効にできるので非常に優秀なのだが、だからこそMTGで言われるアーキタイプとしてのコントロールは、このカウンターの存在を前提としたものが多い(少なくとも昔は多かった)。

 

つまりカウンターのないCGにおいては盤面除去によるコントロールがほとんどとなり、除去が豊富なミッドレンジやランプと区別がつきにくくなる。

逆にMTGにはない特有のコントロール要素があるCGなら、MTGで想定されるコントロールとは別のアーキタイプと呼べるようなコントロールも存在するかもしれない。

何が言いたいかといえば、一般的に言われるアーキタイプというのはあくまでMTGをベースにしたものであり、それがすべてのCGにおいて無理なく適用できるとは限らないということである。

だから無理に「自分のデッキはアグロなのか?ミッドなのか?」と考えてしまう必要はないのである。

大切なのは「どういったスタイルで勝ちを目指すのか」、「そのためにどんなカードを採用してどんな構築にするのか」ということである。

その結果が、界隈で言われる「アグロ」になるのか「ミッド」になるのか、はたまた「コントロール」になるのかはどうでもいい話かもしれない。

むしろよほど的外れでない限りは好きに名乗ればいいと思う。

ちなみに手札破壊と土地破壊(マナ破壊)は、個人的には上記6種類の「撹乱的アグロ」に含まれると思う。

 

こういったアーキタイプについては、明確な定義がないままにCGの歴史が進んできたので、使われる過程で意味が変質したり、拡大解釈されるようになったりしているものもあるかもしれない。

それもまたCGの歴史として面白いところだなとは思う。

誰かいろんなCGの歴史を総括したり、CGそのものについて考察するような協会でも作ればいいのに。

日本TCG協会とか。