異呆人

毒にも薬にもならない呟き

転職は惑わされず、自分の道を歩くしかない

妻が仕事を辞めるという。

妻の仕事はちょっとした技術のいる事務作業なのだが、それを今の会社で在宅のアルバイトとして続けるそうだ。

いわば従量制になるので、頑張って数をこなせば今より収入は上がるかもしれないし、仕事の閑散期にはほとんど収入がないこともあるかもしれないとのことである。

本人が選んだ道なら、私としては異論はない。

もちろん、その選択に至るまでの道のりで、たくさん話を聞いたし、たくさんアドバイスもした。

おそらく今選び得る選択肢の中では、最も彼女の希望にかなうものだろう。

身の振り方が決まり、妻はそれまでのストレスから解放されたようである。

一時のように愚痴ばかり聞くことはなくなった。

これからどうなるかというのもあるが、とりあえずはまぁよかったのだろう。

 

私自身は転職を二度している。

いずれも、良くなっていないが悪くなってもいない。

事情はどこかに書いた気がするし、まぁいろいろあるのだが、「良くも悪くもない」と言ってしまえるのは、単に私の環境適応力が高いだけだと思う。

実際には、良くなることもあるし、悪くなることもある。

どちらの確率が高いかとかは、どこぞの転職サイトがアンケートを取っていたと思うが、そんなものは確率で片付けられない話である。

たとえ悪くなる確率が10%だろうと、その10%に入って人生が悪い方に大きく変わるなら大問題である。

つまるところ、どうなるかは個人の資質と選択肢の内容次第だとしか言えない。

身も蓋もない話ではある。

 

自分が転職を何度かしていることや、周囲にとっての私という人間のポジションから、転職についてアドバイスを求められることがある。

そんなもの、何とも言いようがない。

私はアドバイスをする相手の現状を間近に見ているわけではないし、また選択肢の内容を詳細に吟味しているわけでもない。

概ね、十分な情報はない。

だから具体的なアドバイスはあまりしない。

ただし世の中に溢れる情報の中では、ごく一部の極端に悪い事例や、ごく一部の極端に良い事例が目につくようになっている。

得られる情報にはいろんなバイアスがかかるし、比較するには考慮すべき要因が多すぎる。

なので「どんな結果になっても引き受けるだけの覚悟は持つように」とだけ言うようにしている。

 

転職を希望する人というのは、現状より良くなることを望んでいるし、良くなると思っているから希望するのである。

ただし「良くなる」ということは、いかなる状況においても保証されているものではない。

そもそも人間は自分の選択を肯定する傾向にあるので、ある程度は許容できるようになっているが、その許容値を超えるくらい悪くなることもある。

だから万一そんな状況になっても、その結果をきちんと受け止めて、次の手を打てるようにしておかなければならない。

まぁ次の手を打つと言っても、しばらくは我慢する羽目にはなる。

基本的に1年未満の短期の離職は、次の就職にプラスに働かない。

それから基本的に転職回数は多くなればなるほど不利になる。

そういう業界・職種、あるいは腕に覚えがない限りは。

 

だから良い情報や悪い情報に惑わされず、自分でしっかり吟味して決めて、決めたら迷わず進むしかないのである。

新卒での就職もそうだが、地雷みたいな案件はそこかしこに埋まっている。

踏まない方が幸運なくらいかもしれない。

安全安心のお墨付き企業は、初めから高倍率なのだからなおさらである。

刮目して自分の現状を見極め、不都合な部分に目をつぶらないことが大切だと思う。

 

妻の場合も、最初は「フリーになりたい」というようなことを言っていた。

しかしはっきり言ってしまえば、フリーで仕事をするには力量不足である。

勉強し直すとも言っていたが、そうなら学校に入らなければならない。

実績があるなら別だが、独学で勉強しましたというだけの人間に、安心して仕事は任せられないだろう。

実績を積むなら別の企業でもっと実践的な実務に携わる必要があるが、そういうところに転職するハードルがまず存在する。

それは挑戦次第だと思うが、それとは別に早く子供が欲しいと言っているのだから、そのことも考えなければならない。

そんなあれこれを考えた結果、まずは今の会社で在宅に切り替えて子作りを優先することにしたようである。

子供ができるかどうかはわからないが、ひと段落してから仕事については再考するそうだ。

 

まぁ、選んだ道がどうだとか、結果がどうだとかはともかく、改めて自分にとって大切なこと、人生の優先順位を考える機会にはなったようである。

私はそれを見守り、手助けするのが役目である。

私という人間のリソースは全部使ってくれたらいい。

やりたいことがあるというのは、それだけでいいことだと思うし。