異呆人

毒にも薬にもならない呟き

スペシャル・コンバート

先週末は以前の会社に勤めていたときの取引先の人たちと旅行に出かけていた。

何度かこのブログでも触れているが、40代のおじさんとおばさん、60代のおじいちゃんと呼べそうな人たちとの旅行である。

最初は仕事の付き合いだったわけだが、もう今となっては歳の離れた友人のようなもので、これも縁と思って毎年呼ばれるたびに参加している。

しかしちょうど先週は金曜まで出張。

金曜日に広島から神奈川に戻り、荷物を置いて着替えてから夜行バスで新潟に向かい、向こうで合流して車で移動して茨城を1泊2日で観光するというハードスケジュールだった。

最後が牛久大仏だったので、帰りは牛久あたりから常磐線で帰京。

観光は日本三名瀑の一つ、袋田の滝や、日本三名園の一つ、偕楽園などを見て回った。

ちなみに私はこの観光ルートを、別の友人たちと以前にも旅行したことがある。

だから私は案内役のようなものである。

地図読みも得意なので、カーナビ以上に上手にナビゲートするらしい。

まぁ、二度も行って楽しかった旅行先ではないが。

旅行なんてのはどこへ行くかより誰と行くかの方が重要だと思う。

食事と一緒である。

 

さておき、そんなハードスケジュールをかまし、帰ったら帰ったで2泊3日の出張と1泊2日の旅行で計5日間会えなかった妻の相手をし、なんかもうクタクタになりながら月曜日を迎えていた。

営業マンではないが営業部に新人がまた入ったので、夜は歓迎会というオマケ付きである。

そんな状態ではあったが、気合いは入れずにぬるりと、いつも通り仕事を回そうと思ったら、朝一番で上司から伝えられた話が、先輩がアキレス腱を断裂したという話だった。

どうやら子供のスポーツ教室で一緒に走ったときの出来事だったらしい。

よくある話とは言わないが、ときどき聞く話ではある。

「それは大変ですね。どうしましょう」などと他人事として聞いていた。

怪我した脚によっては車の運転ができない。

その場合は電話対応だけで乗り切るのだろうか。

彼は出向社員なのでいつ本体に呼び戻されるかわからず、そのためにサブとして新入社員を採ったばかりである。

まだ十分ではないだろうが、どうしても訪問対応が必要なときは新人が代わりに行くのだろうか。

そんなことを頭の中で少し考えていた程度だった。

 

その状況が先輩不在の対応を検討する会議で一変した。

社長が「彼の担当の取引先は大口が多いから、すぐに別の社員を当てなければならない。復帰がいつになるかわからないし、出社できるようになっても、足を引きずってまで営業させるとあっては会社のイメージに関わる」と言い出した。

言ってることはもっともである。

問題は、ただでさえ人が足りなくて2、3人採用したばかりなのに、先輩が不在の間のフォローを誰にさせるかということである。

大口の取引先ばかりなんだから、まさか新人には振らないだろう。

とか何とか考えていると、すごく嫌な予感がしてきた。

「こういう状況で任せられる人間はほとんどいないから」と社長は言って、なぜか少しだけタメる。

沈黙の間中、もう嫌な予感しかしない。

「朱天くんにお願いしようと思う」

ほらね、やっぱりね。

苦笑いと、呆れと、たくさんあるツッコミどころにツッコミたい気持ちとがないまぜになり、私は複雑な表情になっていた。

皆の視線が自分に注がれているのがわかる。

誰かが笑いをこらえきれず吹き出した。

そりゃ笑うわな。

私が笑いたいわ。


私の営業の担当は西日本エリアという関西以西全部で、そこを1人で担当している。

うちの会社が弱いエリアで、取引先の数は少ないが散在していてフォローがめんどくさい。

その広域に広がった取引先を繫ぎ止めながら、西日本で新規の取引先を作るのが私のミッションである。

にも関わらず、先日、関東の取引先を任された。

syuten0416.hatenablog.com

任せられる人がいないという理由からである。

一応3人体制でのフォローなので、私自身の仕事量的な負担はそこまででもないのだが、単純に営業で回らなければならない範囲が増えて異様にめんどくさい。

西日本に加えて、千葉、神奈川が増えている。

そんな風に人に仕事を投げつけたばかりなのに今回の話である。

ちなみにアキレス腱を断裂した先輩の担当エリアは東北。

言ってることが全然わからない。

 

しかも「こういうのはスピード感が大事だから、来週にでもすぐ行ってくれ」とか社長は言う。

いや、ほら、私にもスケジュールってのがあるし。

おまけに来週は祝日や会議のせいで、出張するなら全部日帰りになるし。

祝日と土曜日は休日出勤だし。

「意味がわからないよ!」と叫びたくなるのを我慢し、自席について大きな溜め息をついた。

私の機嫌が見るからに悪そうなので、誰も何も声をかけてこなかった。

唯一、空気を読まない女性社員が、「朱天さんが忙しくなると、私も困るんだけど」と言ってきた。

何のことだと思ったら、「システムのマニュアル作成の件」と言われた。

確かに、そんな仕事もしている。

というか、その仕事は厳密には私の仕事ではない。

彼女の上司があまりにも仕事をしなくて困っているから、私が手伝ってあげているだけである。

私が詳しい案件だから、どこかのタイミングで正式に私に回してもらった方がいいと思っているのだが、それはいわゆる墓穴を掘るという行為なので、うやむやにしたまま手伝いだけしている。

その案件も掘れば掘るほど彼女の上司の杜撰な対応が明らかになってきて、のっぴきならなくなっているのだが。

本当に溜め息しか出ないな。

 

確かに大抵のことは何とかできるし、サラリーマンなのだから最終的には会社の指示に従うが、困ったらとりあえず私に仕事を投げるのってどうかと思う。

明らかに仕事量に偏りがある。

だったらもっと給料上げてほしいなと思う。

別に金で解決する問題でもないのだが、基本的に仕事の対価というのは金銭でしか表せないし。

まぁ、先輩が復帰するまでの期間限定だから、年末くらいまで乗り切れば何とかなるか。

とりあえず、スペシャルなコンバートは今回で最後にしてほしい。