異呆人

毒にも薬にもならない呟き

光陰矢の如し

先日、大学の仲間のグループLINEに、先輩が自分の娘の写真を上げてきた。

運動会の組体操、三重の塔の一番上で、真剣な表情で前を見据えている。

どの子と言われなくてもすぐにわかった。

なんせ顔が奥さん、つまりその子のお母さんにそっくりだったからだ。

びっくりするくらい似ている。

思わず娘さんの頑張りそっちのけで、「お母さんに似てますね」と送ったら、「そう!そうなんだよ!」と、力のこもった返事が返ってきた。

まさか自分に似てほしいと思っていたのだろうか。

ともかく、なんだか不思議な感覚だった。

 

この夫妻は大学時代、私と同じ部活動の先輩部員だった。

部員同士で結婚したのである。

それも学生結婚。

私が1年生のときに奥さんが4年生、旦那さんが2年生だった。

奥さんの代の卒業パーティーで突如、「私、結婚します!お腹に子どもがいます!」発言をされたとき、そして「すいません、相手は私です!」と旦那さんが手を挙げたときの衝撃は、目の前で核爆弾でも爆発したかと思うほどだった。

奥さんはクールビューティーで、男子部員から人気があった。

カラオケで椎名林檎やラブサイケデリコを歌いこなす女性である。

旦那さんは優しいけど、どこかとぼけたところのある人で、飄々とした男性である。

できちゃった婚で学生結婚。

身近にこんなことがあるもんだなと思った。

 

奥さんの実家は、私の実家から行って行けないことのない距離の場所だったので、出産後に二人がいるときにお邪魔したことがある。

チーズケーキを片手に、電車とバスを乗り継いで1時間半くらいだった。

私は長じてから末の弟が産まれたので、赤ん坊は珍しく思わなかったが、当時はその子の親の両方が同世代で両方ともを知っているということはさすがになかったので、感慨のようなものを感じた。

そのときから、干支がぐるっと一周している。

あの頃、父親似か母親似かわからなかった赤ん坊が、母親そっくりの小学6年生になっている。

時の流れ、その力の大きさを感じてしまった。

 

しかし考えてみれば、それだけの時間を過ごしてきたのである。

干支がぐるっと一周する間に、私は大学を卒業して就職し、2回転職して結婚もした。

その一つ一つ、それ以外の一つ一つにも、たくさんの濃密な時間を費やしてきた。

だからいつも私はこういうとき、「早かったなぁ」と嘆息したあと「いや、むしろ長かったか」と思い直すのである。

「変わり映えしない毎日」なんてことを考えたのは、中学・高校の頃だけだった気がする。

大学以降は使える金や時間が増え、行動範囲が広がり、いろいろなことに手をつけられた。

たくさんの経験をし、その分だけ自分が成長してきたと感じる。

そうやって、いろんなことにどんどん手を出すのは、今も同じことなのだが。

 

これからもきっと、そんな感じで生きていくのだろうなと思う。

人生は長いなぁ。

あとどれくらい余っているのだろうか。

ボタン一つで早送りできるなら、ぜひお願いしたい。

もしくは編集してダイジェスト版だけ流してくれてもいい。

できれば、小一時間程度にまとめてもらえると助かる。