異呆人

毒にも薬にもならない呟き

期限なんてある

私が初めて女性と交際したのは30歳のとき、そのときの相手が今の妻である。

こう書けば、このブログに熱心な読者という人がいるのなら、他の記事の記述と合わせれば私の年齢が計算できるなぁ、とか思ったりする。

さておき、私のこれまでの恋愛遍歴ではないが、その辺りのなんやかやを知りたい人がいたら、過去記事を漁ってほしい。

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今更同じことを何度も書くのがめんどくさいのでざっとまとめれば、私は自分の人生の選択肢をできるだけキープするために独りでいることを通していた。

女性と付き合えば、必ずその向こうに結婚を見据えることになる。

結婚を見据えないのに女性と交際することは、男性にとってある種の罪だと思う。

異論はあるかもしれないが、たぶんそう考える女性は多いだろう。

少なくとも私はそう考えるから、そもそも交際もしなかった。

結婚すると、自分の人生の選択を自分の都合だけで決めていくことができなくなる。

よしんば結婚してそれが可能だったとしても、そのことが良いことだとも思わない。

まぁ交際に関しては、歳を重ねるほどその辺りの考えは柔軟になっていったが、それでも「えいや!」と決心したのが30歳である。

一般的な感覚からすれば、「遅い」と言われても仕方ない。

 

さて、この「特別お題」、SK-Ⅱの動画がくっついている。

ちょっと鬱陶しいが、お題記事は大喜利みたいで面白く、可能な限り書くようにしているので我慢する。

付いてくるからには、どんなものか見ておこうと思って再生してみた。

「期限なんてない」というタイトル、所々挟まれる年齢に対するポジティブなメッセージ。

まぁ、化粧品のCMなので仕方ないのだろうが、私があまり好きでないタイプの動画である。

だって、人生にはたくさんの期限があるから。

「年齢なんて関係ない」と言えるのは、いろんな要素に恵まれた一部の人間だけである。

その一部の例でもって、その他大勢の一般人を鼓舞することは、あまり褒められたものではない。

 

例えば、女性には出産のリミットがある。

明確な線引きはなくとも、妊娠する能力は加齢と共に減衰していく。

これは女性に限らず、男性だって子供を作る能力自体は加齢と共に減衰する。

程度の差である。

例えば、就職にだって年齢制限はある。

公務員は試験受験の年齢を区切っている。

一般の企業だって、ほとんどの企業は新卒一括採用するし、転職といっても「第2新卒」扱いで、ある程度自由に選べる年齢には限りがある。

未経験の中年を採用する企業なんて、よほど人員に困っているところだけだろう。

「年齢制限」をなめてはいけない。

その限界を超えられるのは、限られた人たちだけである。

その人たちの足元には、耳目に晒されない「年齢」という壁に破れた人の屍が積み重なっているのである。

自分が「限られた人」だと思うなら、挑戦してみたらいい。

もちろん、自己責任である。

 

私は26歳と27歳で転職も経験している。

間隔が短いのは、思う存分挑戦して、思う存分敗れたからである。

挑戦にあたっては、若いからリカバリーが効くことも考慮している。

これが30代や40代で同じことをすると、傷が深くなって、場合によっては致命傷を負うだろう。

ただ、できないことはない。

私自身、再度何かに挑戦してみることを考えなかったわけではない。

それでも、リスクとリターンを考慮して諦めた。

そのリスクを背負ってまで、私がやりたいことはない。

大人しく、人生の最期まで燻っていることにした。

その選択に後悔はない。

 

30歳で初めて「彼女」を作り、そのまま結婚へと進んだのも、そういった諸事情を考慮した人生の流れの一部である。

どうせ燻るなら、余剰な能力は誰かのために使えばいい。

その能力の使い方として、見知らぬ誰かのために幅広く能力を捧げることより、特定の誰かのために徹底的に能力を行使することを選んだだけである。

ある意味、社会に存在する年齢制限の壁が、私を結婚へと動かしたと言える。

遅かったとも思わないし、良いタイミングだったとも思わない。

様々な因果の集積が、その選択に向かったというだけである。

 

他人が「遅すぎる」とか言うことは気にしないでいいと思う。

「遅い」かどうか判断するのは自分自身でいいと思う。

ただし、この世界には間違いなくたくさんの「期限」が存在する。

私は今から、プロ棋士にも、プロ野球選手にも、バイオリニストにもなれない。

常に「選択」と言うのは、その「責任」と共にある。

「選択」に迷うのは、「責任」を引き受ける「覚悟」がないからである。

「年齢」に臆するのも覚悟がないから。

そして「覚悟」を支えるのは、人の意志と、正確な情報である。

きちんと情報収集できれば、「覚悟」の下準備はできる。

あとは人の意志。

なければ「えいや!」でも構わないが。