異呆人

毒にも薬にもならない呟き

藤井四段の活躍を素直に楽しむ

将棋の藤井四段が前人未到の29連勝を達成した。

凄まじいことである。

これほど話題になり、皆に注目され、飯は何を食ったかまで写真を撮られるような状況の中、勝ち続けるということがどれほど難しいことか。

どれほど強かったとしても、プレッシャーがあれば実力を発揮できないこともある。

将棋の実力だけでなく、メンタル面も中学生とは思えないものがあるのだろう。

野球で言えば、高卒1年目の新人ルーキーが、負けなしで20勝するようなものである。

私が生きているうちに、これほどの棋士は二度と現れないかもしれない。

 

この29連勝より真に驚くべきは、四段昇段後に催されたAbemaTVでの企画「炎の七番勝負」だったと思う。

並居る強豪相手に6勝1敗という成績を聞いて驚愕した。

それも非公式戦とはいえ、最終戦では「神」たる羽生さんを破っている。

まだ14歳である。

普通なら中二病を患い、右手が真っ赤に燃えている時期だろう。

そんな齢でタイトルホルダーやそれに準ずる一線級に勝つのだから、若手の四段や五段相手に29連勝しても、何ら驚きはないとも言える。

 

私は将棋は好きだが、観戦はあまりしない。

面白いのはわかるが、見始めると物凄く時間を消費する。

私の生活やその他の趣味との兼ね合いにおいて、なかなか続けるのは難しい。

棋譜並べをしたこともあったが、これも結構時間がかかるので諦めた。

一時期は「将棋ウォーズ」でネット対局に励んでいたが、このブログを始める前後から遠ざかっている。

楽しいのだが、10分持ち将棋でも一局20分くらいかかるし、その間は相当集中していなければならない。

電波が途中で切れてもいけない。

持ち時間を短くすれば解決するが、せめて10分くらいないと私は将棋として楽しめない。

 

将棋界は昨年、三浦九段に対する冤罪不正事件によって大きく揺れた。

それは今もって解決したとは言えないだろうし、そういった病巣がまったくなくなったとも言えないかもしれない。

ただ個人的には、それによって将棋の魅力が薄れたとは微塵も思っていない。

盤外の騒がしさとは別に、盤上は熱いし、変わらず面白い。

将棋界に罪はあれど、将棋に罪はない。

病巣は地道に駆逐していくとして、それとは別にこの藤井四段のニュースでもって盛り上げていくことは、とても大事なことなのではないかと思う。

注目されることが、不正や悪事に対するそもそもの牽制にもなる。

阿漕な輩は、藤井さんにグウの音も出ないくらい負かされてしまえばいい。

何をかを言えど、盤上での棋力が棋士の本質である。

 

29連勝のニュースを見ていて、増田四段との対戦での勝負手を見たときは鳥肌が立った。

流れがわからなくても、素人がパッと見て「おぉ?!」と思ったし、盤面の状況が見えてくるにしたがって、その意味に徐々に鳥肌が広がるような感覚だった。

久しぶりに将棋を指したくなった。

また29連勝後の会見での「一番印象に残っている対局」を聞かれて、加藤一二三さんとの初戦を挙げたことも、模範的でとても好感が持てた。

「加藤先生の闘志が…」といった発言をしていたが、もしかしたらこれまでの29局の中で、藤井四段が得るものはそれくらいしかなかったのかもしれない。

純粋にどこまで行けるか楽しみだなと思う。

棋戦のトーナメントを勝ち上がってタイトル戦に登場するのも時間の問題だろう。