異呆人

毒にも薬にもならない呟き

紹介してもらう方法

出張回数が増えていて、地味に忙しい。

また元のように週3日くらいのペースで出張している。

私は会社では、西日本の営業担当ということになっている。

こう言うと決まって「西日本って、どこからどこまでですか?」と聞かれるのだが、今の私の担当は関西・中四国・九州と愛知の一部である。

昔は中部と北陸も含まれていた。

長野の取引先を担当してほしいと言われたときは、「長野は西日本ですか?」と聞き返した。

まぁそれくらいうちの会社の、日本地図をバッサリ真ん中で切ったときの西側の取引先は少なかったということである。

それが少しずつ取引先が増えてきて、北陸を他の営業に任せ、中部を他の営業に任せ、という形で担当範囲が縮小してきた。

愛知も他の営業に任せたのだが、そのうちの一部を任せた営業が出向元に戻ってしまったので、私のところに返ってきてしまった。

いずれ今月入社した社員に引き継いでいくことになるのだろう。

ちなみに西日本の取引先の9割以上は、私が開拓したか、最初から担当している取引先である。

あまり人から言われないし、自分でも「そう言えばそうですね」くらいの感じなのだが、実は結構会社に貢献していたりする。

 

私は会社員人生を始めたときから新規営業をしているので、飛込み営業もよくやったりする。

飛込み営業はすごく嫌がる営業マンがいたりするが、それは感情のコントロールの仕方の問題で、やるだけなら別に難しいことでも嫌なことでもない。

そこから実際の取引につなげるにはある程度のテクニックは必要だが、もともと成功率の低い方法なのだから、うまくいかなくても大して気にしなくていい。

考えてやっていれば、数をこなせばわかってくるものである。

話をまともに聞いてもらえたら儲けものである。

あとはいかに相手の興味を引きつけられるか、自信を持って堂々と話ができるかが大切だ。

 

しかし飛込み営業が非効率的なのは間違いない。

私は法人営業の経験が長いのだが、それで大体成功率は5〜10%くらいだと思う。

プロ野球のバッターで言えば、いつクビになってもおかしくない割合である。

それでも完全な白地を開拓できるのだから、やることに意味はあると思うが。

反対に最も効率の良い方法は、誰かに紹介してもらうことである。

いわゆるリファーラルビジネスというやつである。

紹介の最も良いところは、相手が話を聞くという土俵に上がっていることにある。

そうなれば、あとは相手のニーズとこちらの腕次第になる。

加えて、紹介者が影響力のある人であれば、それだけでプラスαの価値が付く。

場合によっては、相手の方が乗り気だったりすることもある。

これは恋愛でも同じかもしれない。

いきなり街で声をかけナンパをするよりは、誰か友達に紹介してもらった方が遥かに効率が良いだろう。

相手が自分の好みのタイプかどうかはわからないし、そもそもいかに紹介してもらうかがネックとなるのだが。

 

私は飛込み営業もするが、実際に新規開拓する数で言えば、半分くらいは取引先からの紹介である。

非常にありがたい話だし、楽でいい。

ただ私の場合、積極的に「紹介してください!」と言うことはほとんどない。

一応うちの会社には紹介制度というものがあって、取引先を紹介してもらって紹介先との取引が実際に成立したら、紹介元に金銭を支払えるようになっている。

しかし私が紹介してもらう場合というのは、この紹介制度の話をする前のことの方が多い。

紹介してほしいなどと言わなくても、紹介してくれる人は紹介してくれる。

 

コツはたった一つだけ。

いかに相手に自社の商品やサービスを良いと思ってもらえるか、である。

「良い」と思ったものは、誰かに話をしたくなるものである。

「こんな良いもの見つけちゃってさ〜」、「この前、これを試してみたらすごく良くって」と言いたくなる。

それを聞いた人は、「へぇ〜、そんなに良いんだ。私も試してみようかな」となる。

紹介元が心底「良い」と思っていれば思っているほど、その真実味は紹介先に伝わる。

そうなれば仕事は終わったも同然で、こちらが紹介先と話をする段階で「ぜひ話を聞いてみたい」、「前向きに導入を考えている」となっている。

もちろん、相手が「紹介する」という発想を持っていないといけないわけで、「まだまだサービスを拡大している途中なんです」、「この後も新規開拓をして回る予定なんですが」という相手が反応しやすいボールを投げたりする。

ただし紹介で開拓した取引先はそもそも自分が紹介してもらったのだから、自分から紹介することにも抵抗がなかったりする。

こうなると、あとは連鎖が続くに任せるだけである。

 

あと私が積極的に紹介を求めない理由は、自発的に行動してもらいたいからである。

これは新規開拓に限らず取引をする際の駆け引きとして大切なことで、「買ってください。お願いします」ではなく、「買います」と自分から言ってもらうことが大切なのである。

人は自分が「Yes」と一度言ったことは、なかなか覆さない。

これは失敗を認めたくない心理からくるものである。

普段の買い物程度でもそうだが、失敗してもできるだけ良いところを探して、努めてポジティブに受け止めようとするものである。

だから取引をするときでも、相手に「Yes」と言ってもらって始まった取引は、末永く良好な関係が築けることが多い。

紹介も同じである。

自分から「紹介したい」と思ってもらって行動した結果というのは、かなりの高確率で新しい取引につながる。

さらにその紹介先が喜んで取引を始めたりすると、紹介元も鼻高々となり、今まで以上に積極的に関係構築をしてくれる。

この前提として、サービスや商品が実際に「良いもの」である必要はあるのだが。

 

恋愛も同じで、結局は本当に「良い人」というのは周囲が放っておかないものである。

周りが「紹介したい人がいるんだけど」と言ってくれたりする。

いやそもそも「私がこの人と…」となるか。

だから「モテない」と悩んでいる人がいるなら、本当にやるべきは小手先のテクニックを磨くことではなく、真に誰からも「良い人」と認められるように人間性を磨くことなのだろう。

ただ恋愛に関しては、「悪い人」でもモテたりするのだが。

それはまた、別の話。