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異呆人

毒にも薬にもならない呟き

人手不足と低賃金の解消法

常々疑問に思っていることがある。

なぜ人手不足の産業で低賃金がまかり通るのか、ということである。

普通、人が集まらなければ賃金は上がる。

飲食店のアルバイトの時給などは、現に上がっている。

それなのに介護や保育に従事する人の賃金はなかなか上がらない。

何というか、構造的な問題があるのだろう。

普通は需給によって調整されるはずのところを阻む何かがあるのだと思う。

 

私は、人手不足にも関わらず賃金が上がらないのは、企業あるいは産業自体が儲かっていないからではないかと思う。

利益がなければ賃金など上げようがない。

特に保育や介護などは補助金で食っているようなものなので、そもそも利益基盤が弱い。

仕組み的に好景気に沸くということがあり得ない。

売上が右肩上がりに伸びるということがないのだ。

商品なら売れば売るだけ儲かる。

しかし介護や保育は利用者が増えた分だけ従業員を増やさなければならなくなる。

利用者が増えることにより増える利益が少ないので、従業員が増えることによるコストの増加で食い潰してしまう。

サービスが人依存的な産業であるがゆえに、規模のメリットが働かない。

だから賃金を上げることが死活問題になってしまうのではないだろうか。

 

保育も介護も料金をもっと上げればいいと思う。

そうすれば利用者が増えれば増えるほど企業が儲かるので、賃金も容易に上げられるし、利用者を増やそうと競い合ってサービスの質も上がるだろう。

料金が上がる分は利用者が負担するのが望ましい。

介護の料金が上がれば、介護を受けなくて済むように健康に気を遣うようになる人が増えるかもしれない。

保育の料金が上がれば、預けて働き続けることを選ぶ人と、主婦になる人に分かれるかもしれない。

しかし本当に人手不足が極まれば、企業は子どもを預けて働き続けてもらうことを望むだろうから、保育の費用を補助したり、賃金そのものを上げるという方向に動くはずである。

また女性のキャリアがもっと見通せるようになれば、保育費用にほぼすべて給与が消えることになっても、働く側は働き続けてキャリアを切らさないことを選ぶだろう。

賃金が上がって働くことが魅力的な産業になれば、人手不足に頭を悩ますことも少なくなるはずである。

 

そうならないのは、隠れた依存の精神があるためかもしれない。

国が何とかしてくれるとか(国が解決すべき問題だとか)考えて、自分で解決することを放棄しているのではないだろうか。

だからこれだけ財政が赤字でも消費税一つ上げられないし、社会保障費の削減は一向に進まないのだ。

文句を言うだけ文句を言って、自分たちの負担は少ない方がいいという、無責任な人間が多いせいだと思う。

それが回り回って自分の首を絞めていることに無頓着なのである。

待機児童や介護離職で騒ぐなら、皆で身銭を切って預かってくれるところを作ればいい。

 

あとは実は日本が言うほど人手不足ではない可能性が考えられる。

一部の産業や企業においては、非正規雇用正規雇用に切り替えるなどし、人材の確保に努めている。

介護や保育においても、本来それが理由で退職する人が出て困るなら、そういう人が働き続けられるように企業の側もサポートを検討するはずである。

単純にまだそういうフェーズに移行していないだけかもしれないが、現状の企業にとって介護や出産育児で辞める人というのは、辞めてもらっても構わない程度の人材だとも言える。

これは保育や介護で働く人にも言えることで、給与に不満があって辞めるなら、辞めてもらっても構わないと思われている可能性がある。

人手不足だと騒ぐ割りに、なめたような扱いをされているのではないかという気がする。

企業や労働者に危機意識がないのか、はたまたまだ余裕があるのかわからないが、待機児童や介護離職が話題になっているうちは、日本も平和だと言えるのかもしれない。