異呆人

毒にも薬にもならない呟き

恋愛と結婚は別物か?

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先日は結婚したくない人が増えているというニュースについて記事を書いたが、こちらは恋愛をすっ飛ばして結婚を望む人が増えているという記事である。

極端な価値観の人を取り上げて、それを現代の風潮の最たるものであるかのように取り上げる手法には違和感を感じるが、それでもこれまでになかった価値観を持つ人が増えていることはその通りだと思う。

まったく恋愛をせず、最初の彼女と1年付き合って、というか付き合い始めた段階でほぼ結婚を決めた私も、ここでいう「いきなり結婚族」に含まれるのかもしれない。

ここで取り上げられている男女とはかなり価値観が異なるが、他人事とは思えない部分もある。

 

そもそも、恋愛と結婚は別物なのだろうか。

それとも、恋愛の果てに地続きで結婚が存在するのだろうか。

それって本当は、「これが正しい」という形なんてないものではないかと思う。

恋愛結婚だって素晴らしいものだし、見合い結婚だって素晴らしいもののはずである。

どちらが良いかなんて、要は結婚する当人とその周辺との関係性次第である。

端的に相性と言ってもいい。

相性が良ければいきなり結婚しても大丈夫だろうし、何年も恋人として付き合ってから結婚しても大丈夫だろう。

相性が悪ければ、どれだけ結婚相手として条件が揃っていても上手くいかないだろうし、恋愛相手として上手くいかないことだって多いだろう。

恋愛相手としてはいいが結婚相手としてはダメだったなんて、都合の良い言い訳ではないだろうか。

恋愛相手として上手くいっていたのに結婚して上手くいかなくなったのであれば、それは結局その程度の相性の相手だったということだと思う。

 

恋愛するにしろ、結婚するにしろ、大切なのはそこに何を望むかということである。

寂しさを埋めたい、誰かに構ってほしいという人であれば、同居人のような関係性の相手と一緒にいても、望むものは手に入らないだろう。

単に子供が欲しいというなら結婚しなくてもいいと思うが、現実的に日本の法制度下では結婚した方が子供のためになるので、そのために結婚するという選択肢もあると思う。

それなら一緒にいて苦痛でない相手であれば十分かもしれないし、むしろベタベタする相手は鬱陶しいだけかもしれない。

相手とどんな関係性を築いていきたいか、そのベクトルが同じでなければ上手くいかない。

価値観の相違というやつである。

だからこの特集で出てくる女性も、同じ価値観を共有できる相手が見つかれば上手くいくだろう。

反対にやはり恋愛は必要だと主張する人がいたとして、その人が同じ価値観の相手と一緒にいるなら上手くいくだろう。

どちらが良い悪いではない。

「私はこれで上手くいったから、こちらの方が優れている」というような主張は、結局自分の価値観に寄った一面的なものの見方だと言わざるを得ない。

 

それでもこれは確かではないかと思うことがあるとすれば、それは恋愛も結婚も相手があって初めて成立するもの、2人で営むものだということである。

相手を幸せにしたい、幸せになってもらいたい、一緒に幸せになりたい、そういう気持ちがなければ上手くいかない。

つまり愛があるかどうかである。

「寂しい」という気持ちは自分本位である。

その寂しさが埋められればいいというのであれば、そこには愛はないということになる。

「好き」という気持ちも自分本位である。

相手の性格だとか経済力だとか性的魅力だとか、それらが自分の好みに合致していると主張しているに過ぎない。

そこにも愛はない。

子供が欲しいから結婚するというのも結構だろうが、それだけならそこに愛はないだろう。

動機は子供でも構わないが、その子供を一緒に作る相手に愛を感じられないのであれば、そんな結婚はいずれ破綻するのではないだろうか。

愛というのは熱量ではない。

情熱的だとか、一途だとか、そんなことは関係ない。

相手の幸せを考えられるなら、とても穏やかで静かな愛だってあるだろう。

 

そういう意味で上記のNHKの特集に出てくる若者たち、あるいはバブル世代の中年男女でもそうだが、即物的な発想の人が多いよなと思う。

自分のためになるとかならないとか、回り道だとか無駄だとか、あるいは楽しければいいとか、好きだから仕方ないとか。

恋愛だって結婚だって、大変なこともあるし、思うに任せないこともあるし、疲れてしまうこともあるだろう。

それでも相手が喜んでくれる、幸せになってくれるのであれば、我慢できるところも多いと思う。

というか、大変なことをそう思って乗り越えられない段階で問題がある。

もちろんどちらかが一方的に愛情を注いでいては恋愛も結婚も成立しないわけで、お互いが愛し合う必要があるわけである。

なんだかとても基本的なことがオチになってしまった。

 

こんな風にざっくりと考えるなら、恋愛と結婚の違いなんて法律の定義があるかないかの違いくらいでしかないような気がする。

それをあえて分けて、恋愛の良さとか結婚の良さとか主張することは、本質を見誤っているような気がしてならない。

恋愛相手や結婚相手に細かく条件をつけることも同じである。

それは自分本位の発想であって、相手との関係性という視点が決定的に欠如している。

もちろん生活を営む上で譲れない条件があるのは仕方ないというか当然だと思うが、その上で一番大切なことは相手に何かしてあげたいと思うかどうかである。

まぁ現実には、そう思えるような相手としての条件があったりするので、「愛情」というものに焦点を当て過ぎても上手くいかないのだが。

結局のところ、世の中は多次元的な視点で成り立っているということである。

あまり「こういう在り方が正しい」なんて視野狭窄にならず、人生をゆっくり周りの景色でも見ながら歩いていく余裕がほしいものだと思う。