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異呆人

毒にも薬にもならない呟き

冬なんてなくなればいいのに

肌寒いというよりは、すっかり本格的に寒くなった感がある。

暑いと思っていたのが、つい先日のことのように感じられるが、それは勘違いでもなんでもなく、本当に秋が短くなっているのではないかと思う。

地球環境の変化もあろうが、たまたまということもあるかもしれない。

しかしまぁ、本格的に寒くなるのはこれから。

しばらくは運動なり食べ物なり読書なり、冬の前に「秋といえば」を楽しむことができるだろう。

 

しかし、段々と冬が近づいてくると憂鬱になる。

私は寒いのが大の苦手である。

これまでの人生で接した苦手なものに順位をつけたら、間違いなく五指に入る。

真夏の海に行って、唇を青くして震えているくらいだ。

海に棲む魔物 - 異呆人

できれば地球上から冬を抹消してしまいたいくらいだが、そうすると白クマだとかペンギンだとかが困るかもしれない。

いや、お前がハワイにでも住んでしまえ、という話ではある。

 

寒さが骨身に染みる。

比喩的な表現でなく、極端に痩せている私には、そのままの意味で骨身に染みる。

骨を中心に寒さが伝播するのではないかと思う。

鼻、頬骨、顎の輪郭線、そのあたりが強烈である。

できれば目出し帽を被って生活したいくらいだが、うっかりそのままコンビニに入ろうものなら通報されてしまうので出来ない。

あと、末端冷え性だと思われる。

冬は手足の指先の感覚がなくなる。

靴の中にカイロを仕込みたいのだが、カイロが効いてるうちは暖かくてじんわり汗をかくので、効果が切れて冷え始めると汗で逆に急速に冷えるのが難点である。

睡眠の質を悪化させるという話もあるが、寝るときは靴下が欠かせない。

靴下を履かないと寒くて眠れないのだから、睡眠の質以前の問題である。

冷え性に良いというものを散々試したが、やっているときは効果抜群でも平時の状態は変わらない。

もともと新陳代謝は良いのだから、何か通常考えられるものとは別の要因があるのかもしれない。

 

RPGゲーム的に表記すれば、私のステータスには「弱点:氷属性」と明記されていることだろう。

そうそう、氷もできれば避けてほしい。

飲み物の氷のことである。

飲食店でもどこでもそうだが、デフォルトで氷を入れるのをやめてもらえないだろうか。

もちろん冷たい飲み物がほしいときもあるが、私は夏場でも常温のミネラルウォーターを買う人間である。

冬場はホットのミネラルウォーターを販売してくれないだろうかと、心待ちにしているくらいである。

あと、ファストフード店のドリンクやカフェのアイスコーヒーなどに氷が入っていると、時間とともに味が薄くなるのも気に食わない。

冷たいのはアイスクリームだけでいい。

 

これでも新潟に3年ほど暮らしていた。

仕事の赴任地だったわけだが、雪国の生活の体験は貴重だし、自分の耐寒性能を向上させられるかもしれないと、努めてポジティブに考えるようにした。

しかし実際暮らしてみると、寒さはそれほどでもなかったように思う。

それは新潟は豪雪でも気温は低くないとか、そんな理屈っぽい話ではない。

思うに人間の感覚というのは、閾値を超えてしまえばその程度をほとんど区別できないのではないだろうか。

確かに新潟は寒かった。

しかし、沖縄に住んでいた頃も沖縄の冬は寒かったし、それは2つの土地を行き来するような生活をしない限り比較も区別もできないものである。

10寒いのも8寒いのも、自分が寒いと感じる閾値を超えていれば大差ない気がする。

それは人間の順応性の高さゆえなのかもしれない。

 

私が受験した沖縄の大学の後期試験は、センター試験の点数と面接の点数の合算で合否が決まった。

面接の冒頭、遠方から受験に来た私に対して、教授が「なぜ沖縄の大学なのですか?」と質問してきた。

私は「暖かいからです(沖縄が)」と即答した。

何度振り返っても、我ながら実に大胆な回答だったと思う。

いや、裏を返せば、それほど私にとって寒さは天敵だったのである。

ちなみにそんな回答でも合格できているのだから、世の中わからないものだなと思う。

 

冬なんかなくなればいい。

もしくは、熊のように冬場は冬眠して起きないようにしてほしい。

その方が体温を維持するために無駄なエネルギーを使わずに済むので、エコロジーだと思う。

地球温暖化が進めば、自動的に冬のない世界になるのだろうか。

不謹慎ながら、そんな世界が来ればいいのにと思ってしまう。