異呆人

毒にも薬にもならない呟き

米大統領選と為替 〜為替の基本とお祭り騒ぎ〜

ついに、まさか、トランプ大統領が誕生してしまった。

こんな結末を、いったいどれくらいの人が予想できただろうか。

少なくとも私にとっては予想外である。

賢明な米国民は、あんな阿呆は選ばないと思っていた。

それだけ米国における格差問題が深刻であることを意味するのだろう。

しかしそれならなおのこと、トランプさんではどうしようもない気がする。

これからどうなるのか実に興味深い。

海の向こうの出来事とタカを括るわけにもいかないだろう。

そんなトランプさんが大統領になったことについては、また別の記事にしたいと思う。

今回はこの米大統領選で荒れに荒れた為替相場について、FXでお祭り騒ぎに参加してきたので記しておきたい。

賢明な人ならこんな大荒れ相場は手仕舞って見送るのだろうが、勝負事大好きな私としては一緒に騒ぐという選択肢しかない。

シケなら船は出さないという漁師でなく、シケこそビッグウェーブと繰り出すサーファーである。

 

そもそものFX、為替の仕組みだが、要は安く買って高く売ったら儲かるというものである。

100円で1ドルを買い、102円で売れば2円儲かる。

この場合、100円で1ドル買う取引・注文を「建て玉」と言い、それを102円で売ることを「決済」と言う。

上記のように「買い」から入る取引をすることを「買い建てる」と言うが、反対に「売り」から入って「売り建てる」こともできる。

例えば、100円で1ドルを売っておいて、98円で安く買い戻せば2円儲かる。

つまり為替相場(レート)がどちらに触れるか予想し、買い建てたり売り建てたりして儲けを狙うのがFXである。


では、どんなときに為替相場はどう動くのか。

その動きを考える基本は経済状況である。

ものすごく単純化するなら、経済状況の良い国の通貨は買われて、他国の通貨より相対的に高くなる。

例えば米国経済が良くなると思うなら円でドルを買い建てておけば、本当に米国経済が回復して円安ドル高になったときに儲かる。

もちろん現実はそう簡単ではないので、トレーダーは頭を悩ませて四苦八苦するわけだが、金利の上げ下げや地政学リスクも概ね経済状況に結びつくので、大雑把な認識はこれでいいのではないかと思う。


前置きが長くなった。

今回の米大統領選では、数日前の段階ではクリントンさんの優勢が伝わっており、ドル円は103円半ばから105円前後まで円安が進んでいた。

クリントンさんが勝てば今のオバマ政権の政策が概ね引き継がれ、米国経済の回復はこれまで通り順調に進むだろうという見込みである。

12月に予想される米国の金利引き上げも、円安ドル高方向に働く。

そのままクリントンさんが勝つと思っていた私は、大統領選まで105円を挟んだ値動きになるだろうと思い、104円半ばでドルを買い建てていた。

ところがクリントンさんのメール問題が再燃し、トランプさんが支持率を一気に巻き返す。

トランプさんは無茶な政策ばかり掲げているので、大統領になったら経済の混乱が予想される。

それを危惧して相場は一気に円高ドル安に振れた。

ここで結構損失を出したのだが、メール問題の決着で再び円安ドル高の流れになったとき少し息を吹き返した。

大統領選前は元本10万に対して損失1.8万。

クリントンさんの勝利を予想して104円半ばでドルを買い建てるが、トランプさんが勝つ可能性も考慮し、逆指値ロスカット(損失確定)の注文を入れておいた。


そして大統領選当日。

外回りの合間に相場を確認すると、あっさりロスカット注文が決済されていた。

序盤からトランプさん優勢で、ドル円はすぐに103円前後。

そのまま一気に102円を割り込み、ついには101円を切るかというところまで円高が進んだ。

その後、各州における両候補それぞれの勝利が伝えられるたび、相場は乱高下を繰り返し、さながらジェットコースターのよう。

昼休みや移動時間に、その荒波に乗ったり呑まれたり。


そしてトランプ大統領の誕生がほぼ確定してからは動きが変わる。

同時に行なわれていた米国の上下両院選挙で共和党が過半数を占めたため、トランプさんが勝てば「ねじれ議会」が解消することや、トランプさんも言うほど無茶はしないだろうという期待から、円安ドル高基調の流れに変わる。

とはいえ、トランプ当確によって再度円高に振れると困るので、慎重に取引しながら荒波をやり繰り。

最終的にトランプ大統領が決まった夕方時点で、収支は元本から損失1.4万、この間の収支はややプラス程度で終わった。

本当にジェットコースターに乗っているようなスリルを味わった割には、大したことない儲けである。

しかし、ここは損しなかっただけ上等と捉えるべきか。


最後に103円半ばで建て玉を決済した後、相場がまったく読めなかったので小休止。

だが寝る前に覗いてみると、104円くらいまで円安が進んでいた。

そこで前日と同じ104円半ばくらいまで戻すかなと思ってドルを買い建てた。

しかしながら朝起きてビックリ。

一気に106円近くまで円安が進んでいた。

思わず「おおぅ」と声を上げてしまい、慌てて利益確定で決済。

先日までの損失を一気に吹き飛ばしてプラス収支である。

その後、円高を睨んでドルを売り建てたが、少し利益を出したあと再び円安の流れに呑み込まれている。

この記事を書いている段階でドル円は106円半ば、またマイナスである。


トランプさんの政治手腕がまったくの未知数なので、しばらくお祭り相場は続くだろう。

個人的には保護貿易に近い主張をしているトランプさんが、輸出に打撃を与えるドル安をこのまま容認するとは思わないので、円高ポジションは維持している。

問題はいつ潮目が変わるのか、あるいは変わらないのか。

あまり気を抜かずに様子見する必要がありそうである。