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異呆人

毒にも薬にもならない呟き

働かない方が得 〜配偶者控除の廃止見送り〜

夫婦控除導入の見送りが決定した。

内心期待していただけに残念である。

同時に、「だから自民党は嫌いなんだ」と毒づきたくなる。

既得権益に優しく、新しいものには筋が通っていても厳しい。

やらねばならぬことも先送りしたり、土壇場で有名無実の骨抜きにしたりする。

彼ら彼女らにとって、女性活躍など口だけのお題目なのだろう。

女性活躍の推進という点で見れば、今回の夫婦控除の見送りは、どこがどう転んでも良い方向に働かない。

 

現行の配偶者控除が悪いものだとは言わない。

時代にそぐわなくなっているだけである。

結婚して嫁を養わなければいけない人は金がかかる。

そしてそういう家庭の在り方、専業主婦というものがスタンダードだった時代があった。

良い悪いは別にして、過去の日本において専業主婦は大多数だったし、それに合わせて制度設計することは理に適っていた。

しかしながら今は右肩上がりの世の中ではなく、平均年収も随分と下がった。

男が外で働き女は家庭を守る、という構図が成立しない家庭もある。

女性の方が稼ぎの多い家庭も多い。

残念ながら、女性が配偶者控除を活用しているという話は聞いたことがないが。

 

そもそも、たくさん働いた方が損をするという制度はおかしくないだろうか。

配偶者控除が最大限に適用される年収上限、「103万円の壁」を意識して労働時間を減らすとか、何ともバカらしい話である。

抑えようと思って抑えられるのは、配偶者にある程度の収入がある、まだ富裕な層である。

夫婦共に並の収入かそれ以下であれば、「抑える」などとヌルいことは言っていられず、互いにフルパワーで働かなければならない。

そういった夫婦は現行の配偶者控除を受けられない。

これでは公平だと言えまい。

 

そもそも税金は納めて当たり前である。

税控除というのは、納めると生活が苦しくなる世帯に向けた救済策だろう。

本来は誰しもが受けられるものではないし、まして収入に余裕のある人が受けるべきものではない。

今回の改正では現行の税率控除から税額控除への変更も検討されていたようである。

課税所得から控除額を差し引く税率控除では、所得税率の高い高所得者ほど減税額が大きくなる。

収入比例の控除額となるので、それはそれで理に適った方法だと思う。

対して税額控除なら、どの世帯も減税額は同じなので低所得者ほど恩恵が大きい。

こちらの方が控除というものの性格を考えれば、相応しい気がする。

 

今回の見送りの理由は「専業主婦世帯の反発を恐れて」だと言われている。

夫婦控除なら配偶者控除より対象世帯が増えるが、単純に減税できるほどの財政余力はない。

それなら世帯あたりの控除額を減らして対応するしかない。

現行の配偶者控除を受けている世帯からすると、控除額の減額となり実質的に増税されるようなものである。

「年明けに衆院解散か」などと言われている状況で、危ない橋を渡る必要はないということだろう。

つくづくバカらしい。

 

私も結婚したら共働きである。

私の収入だけで家庭が保つほど、良い給料はもらっていない。

彼女の収入は安い私よりさらに安いが、一応正社員なので「103万円以内」ということはない。

まず配偶者控除は受けられないだろう。

まぁ収入のこともあるが、彼女自身が仕事をしたがっている。

それはそれで立派なことであり、私も家事育児をこなさないといけないなと思う次第である。

だが彼女の収入と保育費用や家事の金銭換算効果、こういった控除を考えれば、経済的には専業主婦の方が得かもしれない。

でもやはり、そんな現実そのものがおかしいよなと思う。

早く何とかしてほしい。