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異呆人

毒にも薬にもならない呟き

死ぬ役なら任せてほしい

演劇を見に行ってきた。

友人の友人から友人のような間柄になった人が出ていて、誘われたというか、頼まれたというかで行ってきた。

こういうアマチュアの演劇では出演者それぞれがチケットを捌かないといけないような話を聞く。

さほど濃い付き合いをしている相手でもないが、バカ高い金額を取られるわけでもない。

以前も一度、彼の出演する演劇を見に行ったことがあり、思ったより面白かったので今回も応援の意味を込めて行くことにした。

 

ちなみに私は以前の彼の舞台で、初めて学校の学芸会以外の演劇を見た。

そのときは演劇スクールのようなところの、発表会のようなものだと聞いていた。

だから学校の学芸会程度のものを想像していたのだが、実際に見てみると全然違った。

オリジナルの脚本も面白かったし、1人1人の役者の演技も私が思っていたよりずっと上等だった。

セリフを時々噛んだり詰まったりはする。

それでも明朗な発声と堂々たる演技は、一朝一夕でできるものではないなと感じた。

後で役者の経歴を聞くと、俳優を目指している人ばかりではなかったようである。

私の友人も、ヒーローショーのスタントをメインの仕事としている。

面白い世界だなと思った。

 

先日見に行ってきた演劇は、以前のものより少し規模が大きく、出演する役者の数も多かった。

40人ほどしか入れない客席は満席だった。

内容は殺陣やアクションのある派手なファンタジーで、あれだけの動きやセリフを覚えるのは大変だろうなと、素人として素直に感心した。

面白かった。

友人夫妻と彼女と4人で見に行ったのだが、彼女が隣で感動して泣きそうになっていたくらいである。

彼女の涙もろさは、箸が転がっても泣くんじゃないかというレベルなので、かなり割り引いて考える必要はあるが。

 

私は普段から物言いが若干芝居がかっていると言われるが、何かを演じるようなことはしたことがない。

小学校のときの学芸会は、ずっと朗読舞台だった。

詩作が好きで子供たちにも詩を作らせる先生が担任で、その先生のクラスはいつも朗読だった。

ハキハキと文章を読み上げることは得意なので、地味ながら好きだった記憶がある。

中学校のときは、1年のときだけ舞台に立った。

演目は「桃太郎」で、不良に育った桃太郎にDVを受けるおじいさんの役だった。

途中でおじいさんが死ぬことで桃太郎が改心する筋書きで、なぜそんな役回りを振られたのか未だにわからない。

それ以降は高校時代も含め、ずっと裏方だった。

あまり目立ちたくないお年頃だった。

 

あとは大学のときに、ゼミの先輩の卒業パーティーの余興で、ビデオを自主制作したくらいだろうか。

内容は「バトルロワイヤル」のパロディで、私は走っている途中に女の子に水を手渡され、飲んだら毒が入っていて死ぬという役だった。

死ぬときの崩れ落ちる様が秀逸だと褒められた。

そこは褒められても全然嬉しくない。

というか、よく考えたら途中で死ぬ役しかあてがわれていない。

 

演劇も本気でやったら面白そうだなと思う。

でも、ものすごく時間もエネルギーも使うライフワークである。

今からなんて、とてもできない。

パラレルワールドを妄想して楽しむだけにしておく。

いや、自分がやらなくても、見て楽しむだけで十分ではある。