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異呆人

毒にも薬にもならない呟き

台風の思い出

夏休みが終わる。

この記事を書いているのは8/21、私の夏休み最終日である。

いくつか特別なイベントはあったが、他は主に午前中はジョギングをし、午後からはスマホゲームに興じるか駄文を書き散らしていた。

ブログ記事は序盤にほぼ10日分書き溜めていたが、それもほとんど使い果たしている。

宣言した小説執筆は、興が乗らずに結局3,000字くらいしか進まなかった。

私は追い込まれるほどに力を発揮するタイプだが、ただ趣味でダラダラ書いているだけだと全く追い込まれないので進まない。

まぁそれでいいかと今のところは考えている。

 

夏休みをダラダラ過ごしてしまったのは、スマホゲームの「乖離性ミリオンアーサー」を始めてしまったこともある。

新しいものに手を出すとダメだとわかっているのにやめられない。

昔はライトゲーマーだったので、どうしても暇だとゲームがしたくなるのである。

オセロニアやFFRKはかなりゲームを進めてしまっている。

ある程度進めば作業の域に入るので、やることは少なくなる。

そしてうっかり新しいゲームに手を出す。

特にスマホゲームの序盤は「クエスト」→「容易にレベルアップ」→「スタミナ全回復」→「クエスト」→「容易にレベルアップ」→「スタミナ全回復」…、という無限ループをしばらく刻むので、まったくキリ良く終われない。

特にミリオンアーサーは「みんなでクエスト」で他人の手伝いをすれば、スタミナ消費なしでプレイできる。

結構面白いとは思うが、時間を食うのでやっぱりやめるかと迷っている。

 

さて、ここ最近、立て続けに台風が発生して本州に上陸している。

これを書いている翌日には、台風9号が直撃する予定らしい。

最寄駅から数駅は電車は地上を走るので、通勤に支障がないか心配である。

いや、会社にいけなくなってしまえばそれで済む話だが、中途半端に様子を見ながら午後から出社というのも怠い。

だったら出社だけはしてしまって、中で仕事をしている間に台風が過ぎ去ってくれるのが一番良い。

帰りの時間を直撃するのも最悪である。

 

私は学生時代、4年間沖縄に住んでいた。

沖縄といえば台風、台風といえば沖縄、である。

小・中学生の頃は、台風といえば学校が休みになるかどうかだけがポイントだった。

暴風警報が出れば休校なので、朝はテレビの天気予報に釘付けである。

実際に暴風警報が出ても大したことにはならない。

いつもよりたくさん雨が降る、多少風が強い、という程度である。

暴風雨の中を必死に中継するお天気キャスターの様子など、まさに画面の向こう側の話でしかなかった。

しかし何の縁があってか、台風の本場、沖縄に来たのである。

これは味わってみるより他ない。

 

初めて沖縄で台風を迎えることになった日、私は不謹慎にも少しワクワクしていた。

初体験というのは何であれ、このワクワクドキドキ感がたまらない。

すでに窓の向こうは暴風雨が来襲し、世紀末的様相が呈されていた。

安アパートなので建て付けの悪い窓がガタガタ鳴る。

窓に吹き付ける雨が凄まじく、隙間から漏れて室内に侵入を始めていた。

ハザードである。

私はこれを直に味わってみたくなり、外出することにした。

 

そこで待ち構えていたのは、画面の向こうでお天気キャスターが立ち向かっていた悪魔そのもの、いやそれ以上の状況だった。

とりあえず傘を開いてみたが、開く勢いそのままに逆さに反り返り、一瞬で使い物にならなくなった。

笑うしかない。

部屋は大学まで徒歩1分の場所にあったので、とりあえず構内の売店まで5分ほど歩いてみることにした。

前が見えないくらいの凄まじい暴風雨で、傘をささずとも歩くのがやっとである。

濡れることを気にする余裕などない。

その状況が面白く、ずっとニヤニヤしながら歩いていた。

売店に着いたが、当然のことながら開いていない。

食料が心もとなかったが、買い溜めしているカップ麺で耐え凌ぐことにして部屋まで引き返した。

 

なんとか部屋に帰り着いて思ったことは、沖縄の台風は格が違うということである。

本州に到達する台風の多くは、いわば40,50歳になってあちこちが痛いと言い始めるくらいのやつらである。

迫力も何もあったものではない。

それに比べれば沖縄にやってくる台風は、ノリにノった20代くらいのピチピチである。

発散されるエネルギーが違う。

勢いの凄まじさに感服した。

そして、二度と台風の中を出歩くまいと心に誓った。

 

部屋に戻ってからはすることがなかったので、普段は見ないTVでも見ようかと思った。

ちょうど後輩が全国高校生クイズに出場するという報せが届いており、その放映日だったことを思い出した。

それほど親しくなかったが、せっかく見知った顔がTVに出るというのだから見てみようと思った。

TVをつけてほんの10分ほどは何事もなかった。

しかし、ひときわ高く風切り音が鳴った瞬間、画面が砂嵐に変わった。

そこのアパートは受信アンテナが屋上に取り付けられていた。

どうもそれが突風で逝かれたらしい。

いよいよすることがなくなった私は、諦めてふて寝することにした。

後から聞いた話だが、沖縄では「風が吹けば桶屋が儲かる」ならぬ「台風が来ればTUTAYAが儲かる」ということがあるらしい。

納得である。

 

翌日、台風一過の青空の下、あたりをランニングしてみた。

そこで私は驚くべきものを見つけた。

なんと、高さ7,8mはある看板を吊り下げるアルミ(?)のポールが根っこから折れていた。

木製とかならまだしも、金属製のポールである。

それがパッキリ折れて倒れるなんて、どれだけの力がかかったのだろうか。

凄まじいものを見たと思った。

そしてやはり、台風の中を歩き回るなど愚行だと悟った。

 

それから本州に戻ってきて、何度か台風に見舞われている。

異常気象かなんだか知らないが、こちらに来る台風も昔よりは勢力が強くなっている気がする。

台風慣れしている沖縄ならともかく、備えのない都市部では大打撃を受けることもある。

それでも私が体感している限りでは、あのときほど衝撃的なものではない。

やはり台風の本場は沖縄である。

そういえば大学の先輩が、「台風の進路予測は米軍のものが一番正確だ」とか言ってたなぁ。

台風が来るたびに、そんなことを思い出す。