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異呆人

毒にも薬にもならない呟き

自動交代浴

長いこと陸上競技をやってきた。

今は競技と呼べるレベルではなく、だらだらとジョギングするのが関の山である。

ただそれなりに嗜んできたので、身体のケアについて質問されることは多い。

その中でも比較的多いのは、「運動後、身体を冷やすべきか温めるべきか」という質問である。

 

私の持ち得る知識の中では、筋肉の疲労回復という意味では温めるのも冷やすのも同じである。

温める場合は、温めることによって血管を拡張させて血流を良くし、疲労物質のろ過を促進させる。

冷やす場合は、冷えた状態から常温に戻る際の血管拡張作用を利用して、同じことを行っている。

だから疲労を回復させる上では、どちらでも大きな違いはない。

 

ただし、温めてはいけない場合がある。

筋肉が炎症を起こしている場合である。

痛みがあったり熱を持っていたりする場合は冷やさなければならない。

温めると炎症が悪化することがある。

運動後は筋肉が炎症を起こすことが多いので、基本は冷やしておけば間違いない。

だからプロ野球の投手は登板後に肩にアイスパックを当てている。

 

逆に冷やしてはいけない場合もある。

それは運動を続けるときである。

冷やすと筋肉は硬直する。

硬直して収縮した筋肉で運動すると、怪我のリスクが高まる。

だからレースとレース、ゲームとゲームのインターバルには基本、冷やしてはいけない。

マラソン大会でレース中にコールドスプレーを足に吹きかけている人をたまに見かけるが、論外である。

もしコールドスプレーを吹きかけないといけないような場合には、すぐに運動を中止してほしい。

プロのスポーツ選手だと、そうは言ってもいられない状況もあるので、試合中にコールドスプレーを使うシーンを見かけることもある。

ただ基本的にはプロであっても身体の仕組みは同じなので、オススメはできないだろう。

 

血管を拡張させて老廃物を押し流す方法を利用したものに、交代浴というものがある。

すごく大雑把に言えば、冷たい風呂と温かい風呂とに交互に浸かるというものである。

冷やして収縮した血管を常温ではなく温めることによってさらに拡張させ、スピーディーに疲労物質を流し出してしまおうという発想である。

サウナに入ってから水風呂に浸かるようなものだが、順番的には水風呂が先でサウナが後である。

これをこまめに繰り返す。

水風呂ほど冷たいと、温度差があり過ぎて心臓に悪いので、ほどほどが良いだろう。

これで翌日の筋肉疲労はかなり抑えられる。

ただし自律神経を酷使するので、身体の疲労感は増すかもしれない。

あくまで筋肉のケアであり、スポーツをしない一般の人がやっても意味はない。

 

我が住処は引っ越して1年を超えたところだが、入居時からシャワーの調子がおかしい。

水量が不安定で、湯だけ出していれば問題ないが、水を混ぜると急に水に戻ったりする。

もちろん湯だけだと熱湯だし、安アパートに温度を調節するような機能はない。

非常に温度調節が繊細で、慣れれば少しはわかるようになるが、たまに彼女が使うときは四苦八苦しているようで、ときどき浴室から水量が下がった際の異音がする。

一度温度調節をしたらあとは安定してくれればいいのだが、何かの拍子に急に温度が下がって水に戻ることがある。

しかしそのまま放っておくと、しばらくすると湯に戻る。

なので温度が下がったときに慌てて湯の量を増やすと熱くなりすぎるし、熱くなったときに水を増やすと水しか出なくなる。

最近は、その湯と水のサイクルが発生したときは、もうそのまま使い続けることにしている。

 

このとき、上記の交代浴を思い出した。

もしかしたら、この部屋のシャワーは自動で交代浴ができるような機能があるのではないかと。

湯と水を交互に発生させることで、筋肉の疲労をとるように設計されていると考えれば、アスリートにとって素晴らしく先進的な機能である。

そんな妄想をした。

もちろん私はアスリートではない。

何もありがたくない。

まぁ1年我慢したし、そのうちまた引っ越すので、もうしばらく我慢することにする。