異呆人

毒にも薬にもならない呟き

結婚相談所というところ

昔、結婚相談所に登録したことがある。

ただの興味本位だったが、まったく結婚の意思がなかったわけでもない。

それは街コンシリーズに書いた女性たちとのデートの後でのことである。

街コンの思い出 - 異呆人

街コンのその後① - 異呆人

街コンのその後② - 異呆人

街コンのその後③ - 異呆人

街コンのその後④ - 異呆人

気疲れはしたもの、デート自体は楽しかったといえば楽しかった。

もしかしたら自分にも恋愛らしきものはできるかもしれないと思えた。

ただ合コンや街コンより、もっと落ち着いて話のできる結婚相談所みたいなものの方が自分に合っているかもしれないとも考えた。

そこまで考えれば「物は試し」と思うのが私である。

早速、某大手結婚相談所に行ってみた。

 

そこは都心のオフィスビルと商業ビルを兼ねたような建物の中にあった。

事前に資料請求したら、資料が届いたあと電話がかかってきた。

そこでアポを取っての訪問である。

確か入り口まで行って、そこに置いてあった内線電話で担当者を呼び出した気がする。

企業の面接みたいだなと思った。

中に通されると、そこはパーティションで細かく分かれた個室がいくつも並んでいた。

まさに企業の応接スペースのようである。

人材紹介会社に行くとこんな感じだと思った。

 

その部屋のうちの一つで待たされ、しばらくすると担当者が現れた。

齢40前後とお見受けする女性である。

いかにも世話好きなおばちゃん、といった感じではなく、企業の人事担当者のような雰囲気だった。

一通り私の仕事や経済的状況、家族などの個人史について聞かれ、それからこれまでの恋愛について聞かれた。

これまでの恋愛も何も、その時点では私はいわゆる「彼女いない歴=年齢」だった。

隠すほどのことでもないので、それをそのまま伝えたところ、担当者の表情が驚愕した。

「えっ、何で?」と食い気味に聞かれたので、「いや、興味なかったんで」と正直に答えると、「今は興味あるの?だったら相手はすぐ見つかるわよ」と、これまた食い気味に返された。

 

そこから料金等の話になった。

結婚相談所の料金というのは高い。

十数万円かかったりする。

昔のお見合いなら仲人がいて、仲人に払う料金はもっと高かったとも聞く。

今でも仲人をしている人はいて、私の昔の同僚がその仕事で飯を食っている。

さておき、そのときは私が20代後半と若かったことなどから、料金は半額以下にしてくれた。

高いことに変わりはないが、まぁこれくらいなら払ってもいいかなという金額ではある。

いわゆる客寄せパンダであろう。

ならばここは、喜んでパンダになって踊るところである。

登録してみることにした。

 

担当者からはまず写真を登録するように言われた。

曰く、「人はまず見た目で入るから、写真があるのとないのとでは全然違う。あなたなら写真だけで申し込みが来る」とのことだった。

写真撮影は料金に組み込まれているらしく、後日指定の撮影所に行くように言われた。

ちなみに撮影所はこじんまりとした写真館で、履歴書写真などのフォーマルな写真を専門に撮るところだった。

あとはプロフィールをどうしろとか、なんとかいろんな話をされた。

もうここから先は出会い系と大して変わらない。

身元がどの程度明らかになっているかというところと、目の前の女性がアドバイスをくれるというだけである。

まぁ見てみればわかるかと思って、後半の話は半分くらいしか聞いていなかった。

最後に担当者から「韓流アイドルに似ているって言われませんか?」と聞かれた。

そういえば、弟の嫁と知人の女性から東方神起チャンミンに似ていると言われていた。

私はそれまで東方神起なんて知らなかったが、見てみると確かに似てなくもない。

その話をすると、「あぁ、そうそう!」と、その担当者は嬉しそうに納得した。

たぶんさっきの質問はフリで、この人は韓流アイドルが好きなんだろうなと思った。

 

後日、写真撮影をし、プロフィールの登録をした。

プロフィールは当たり障りのない内容を書いておいた。

そのシステムで相手の異性を検索できるし、タウンページみたいな冊子が送られてきて、その冊子で相手を探すこともできた。

年齢と住所と趣味と仕事と一言。

そんな感じのプロフィールがずらっと羅列されていた。

そこには個性も人間性もなく、一山いくらの商品と変わらない。

というか、これでは本当に知りたいことがまったくわからない。

これでやり取りを申し込む人って、何を考えているのだろうかと思う。

条件さえ合えばそれでいいのだろうか。

いや、それでいいという人もいるのだろう。

 

結局私はどの人にメッセージを送っていいかわからずに途方にくれた。

条件で絞っても大量に残る。

これを片っ端から当たるのかと思うとげんなりした。

この辺りは先日書いた記事と同じである。

出会い系での出会いからのプロポーズ - 異呆人

だからこの時も「待ち」の戦術を選択した。

つまり相手からメッセージが来た人と会うことにしたのである。

そして、そこからはあの担当者の言った通りだった。

そこの相談所のシステムでは、何を経由してやり取りを申し込んできたかがわかるようになっている。

私の場合はすべて写真だった。

確かに年収は低いし、取り立てて目につくような特技もないし、プロフィールもそれなりである。

このカタログもどきのシステムでは、私は見た目しか取り柄のない人間になるのだ。

そう思うと、何だか複雑な気分だった。

 

何人かの女性と会った。

コーヒーを飲みながら話をして、1,2時間で別れるということの繰り返しである。

もちろん初めて会う人ばかりだったが、逆に変な展開は予想されないので気楽だった。

しかし、まったく話の弾まない人ばかりだった。

私はこれでも話題のサブウェポンは豊富なつもりだが、とても慎重というか人見知りというか、そんな人が多かった。

だから結婚相談所に登録することになるのだろうが。

 

街コンよりも遥かに退屈な、ほとんど作業と言ってもいいものである。

街コン後のデートと同じく2回は会おうと思ったが、なんだかんだで2回会った人はいなかった。

やり取りの最中で「他の男性と話が進んでしまった」と会う約束をキャンセルされることもあった。

やり取りを平行させるのが当たり前だし、そしてもっとアグレッシブに男性から連絡を取るのが当たり前のようだった。

私にはそこまでの情熱はなかった。

結局、数ヶ月で心折れて、退会することにした。

 

最終的に私は出会い系で彼女を作ることになるのだが、結婚相談所との違いは本気度かもしれないと思う。

結婚相談所には、本気で結婚したい人たちが集まるのである。

すぐにでも、そして条件が合うならある程度誰とでも、結婚したい人たちである。

ライトに「まずは恋愛から」というような人は少ないだろう。

そういう意味では、街コン以上に私には合わなかったと言える。

そして、コストパフォーマンスは最悪に近いくらい悪いと思う。

ただ「CPなんて関係ねぇ」という人が利用するところなのだろうから、あまり気にしないでいいのかもしれない。

逆にCPなんて気にしていられない人たちが集うところなのである。

あまり高望みしてもいけないだろう。