異呆人

毒にも薬にもならない呟き

八日目の蝉

今週のお題「映画の夏」

 

なんとなくお題を眺めていたら、昔見た「八日目の蝉」を思い出した。

蝉という単語が夏を連想させたのかもしれない。

映画館で見たのも夏だったかと思い調べたら、どうも春頃だったようである。

確か同じ日に同じ映画館で上映されていた「ゴールデンスランバー」と2本立て続けに見た。

 

私は普段、映画を見ない。

テレビも見ない、というかテレビは家にない。

映像が流れる画面の前で、1,2時間じっとしているのが性に合わない。

基本的にせわしない人間なのだろう。

本も移動時間とか時間潰しに読むことが多く、本を読むために時間を取ることはほとんどない。

本と違ってテレビや映画は持ち運ぶのが大変である。

スマホでネットの動画を流せば通信量を食う。

結局、私のライフスタイルに合わないということが理由である。

 

だがその日は1日に2本も映画館で映画を見た。

暇だったのだ。

当時は仕事で新潟に住んでいた。

友人・知人のいない土地である。

職場の人間は歳の離れた人ばかりで、しかも休日まで会いたいと思うような人たちではなかった。

寂しいとは思わなかったが、遊び相手がいないのですぐ手持ち無沙汰になる。

よく週末は一人カラオケに行っていた。

フリータイムで2,3時間熱唱していた。

ただそれも毎週だと飽きる。

 

「八日目の蝉」を見に行ったのには理由がある。

永作博美が出ていたからだ。

別に熱烈なファンだというわけではないが、なんせ可愛い。

すでにテレビを見なくなっていたのでお茶の間で眺める機会もなく、しばらくぶりに銀幕で眺めようかと思い立ったわけである。

原作は知らない。

永作博美見たさだったので、どんなストーリーかさえ見るまで知らなかった。

 

あらすじは、不倫相手の子を産めなかった希和子(永作博美)が、その不倫相手の夫婦の子を誘拐し、逃亡するというものである。

何も知らないで見たら、重たい話で少し面食らった。

しかし永作博美の可愛さは健在である。

逃亡先を転々とする希和子の必死さが、永作博美の可愛さと相まってとても健気に映った。

そして思ったより井上真央がずっと可愛かった。

誘拐された子・恵理菜の成長した姿を演じていたが、感情を押し殺したような複雑な表情がなんとも魅力的だった。

 

その2人の姿に惚れ惚れしながら見ていたので、あまりストーリーのディテールは覚えていない。

途中までは結構面白かったが、尺の問題か、最後はパタパタとまとめて終わらせてしまったように感じた。

原作は面白いのかもしれない。

角田光代の小説はほとんど読んだことがなく、新聞連載されていた「空の拳」を少し読んだだけである。

あれも結構面白かった。

 

話が逸れたが、「八日目の蝉」は女優2人の演技以外に、逃亡先の小豆島の風景も印象的だった。

「虫送り」という、人々が松明を持って棚田を練り歩く行事のシーンが、とても幻想的で美しかった。

そう、いかにも夏らしいこのシーンがあったから、夏の映画として「八日目の蝉」を思い出したのかもしれない。

ちなみにこの「虫送り」は人手不足のために途絶えていたらしいが、「八日目の蝉」のロケをきっかけに復活したそうだ。

映画のロケも文化の伝承に一役買うことがあるのだから面白い。

 

小豆島、行ってみたいなぁ。

瀬戸内国際芸術祭もあるし、その会期中に瀬戸内島巡り、とか理想である。