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異呆人

毒にも薬にもならない呟き

都知事選の感想

都知事選が終わった。

蓋を開けてみれば小池さんの圧勝で、自民党や野党連合から見れば目も当てられない惨敗と言える。

最初は小池さん、増田さん、鳥越さんの主要3候補が、三すくみで良い勝負をするだろうなと思っていたので、私にとっては意外な結果だった。

我が家にはテレビがない。

情報源は日経新聞だけである。

その新聞もここ数日はいろいろバタバタしていて、読まれずに溜まっていくだけだった(電子版なので物理的な変化はないが)。

だから都知事選に関する情報も、選挙1週間前くらいの世論調査で、小池さんがリードしているといったものが最新だった。

 

選挙前後の溜まった記事を読んでいると、どうも自民党が失言で自滅した部分もあるらしい。

それなりの立場の人間が口にするのは憚られるような内容である。

そんなバカが日本を動かしているのかと思うと悲しくなるが、それが日本という国の政治だろう。

致し方ない。

ただ今回の都知事選を振り返れば、目立ったのは失言バカよりも小池さんの選挙巧者ぶりだったのではないだろうか。

 

自民党の了解を得ない出馬表明という先制パンチに始まり、「個vs組織」、「弱者vs強者」、「女性vs男性」という対立軸を巧みに展開し、人々の関心を引き、エールを受け続けた。

失言は火に油を注ぐ行為だったとはいえ、油がなくても良い具合に煽り続けた小池さんに、増田さんや鳥越さんが勝てたかどうかはあやしい。

それくらい立派な戦略と戦術だったと思う。

新聞記事では小泉元首相よろしく「劇場型」という言葉が使われていたが、そんな感じだろうか。

今流行りのポピュリズムにはぴったりである。

なんせ劇場は観客がいないと成立しない。

私は小池さんのセリフが、小泉さんほど耳目を集めるものではないと感じるが、それでも十分だったということだろう。

 

私は早々に期日前で増田さんに一票入れていた。

私は東京の喫緊の課題はオリンピックだと思っている。

オリンピックを東京で開催することにはさして興味がないが、「やります」と手を挙げて選ばれたからには、世界に対するメンツとコミットメントがある。

それを円滑に運ぶには国や都議会と密に連携していく必要があり、自民党贔屓ではないが増田さんがいいのではないかと思った。

それに増田さんは、あのなんとも言えない地味な感じが良い。

担がれた神輿の上で大人しくしていてくれそうである。

 

小池さんは党の推薦を得られないとわかるや対立軸を鮮明にしだしたので、そこが難しいと思った。

まぁ出馬に至る経緯もあまり個人的には好きではない。

組織に所属して恩恵を受けているのだから、組織の方針に従うのはある意味で当然である。

嫌なら離党して出馬すればいい。

離党して出馬したなら私も一考したかもしれないが、小池さんはそうしなかった。

「崖から飛び降りる覚悟」だったそうだが、足にバンジーゴムくらいは巻いていたとみえる。

したたか過ぎるし、不義理である。

あと、あの敵を作って煽る戦術も好きではない。

海の向こうの不動産王とレベルが違うだけで、やっていることは同じである。

このあたりは個人的な好き嫌いのレベルの話である。

都知事の仕事をする上では問題ないだろう。

 

鳥越さんは好き嫌いはないが、あまりにも準備不足が露呈しすぎた。

むしろなぜ手を挙げたのかわからないレベルである。

知名度だけで戦えると思ったのか。

あれなら宇都宮さんに譲った方がマシだったかもしれない。

争点にした内容を聞いていても、それなら国政選挙に無所属で出ればいいのにと思ってしまう。

ちなみに鳥越さん含め、全候補が争点の一つとした待機児童問題は、個人的には都政レベルで解決できることは限られると思う。

だから私の中では公約ではほとんど差がつかない。

真面目に仕事をしてくれればそれだけでいい。

 

見世物としてはなかなか面白い選挙だったのではないかと思う。

だが選挙は面白可笑しく眺めるためにするものではない。

都知事になった小池さんの仕事はこれからである。

良い仕事をしてほしいとは言わないが、あまりはしゃぎすぎて神輿の上から落ちないようにしてほしいと思う。

快勝だったからテンションが上がるかもしれないが、そこは普段通りの戦略家として冷静に立ち回ってもらいたい。

でも小池さんなら神輿の上でも器用に踊るかもしれないな、とも思う。

失言で油を撒き散らした前都知事のように。