異呆人

毒にも薬にもならない呟き

そんな未来

会社の方針についていけなくなって、いや、ついていきたくなくなって、仕事を変えたいなと思っている。

というか、しばらく前からそう思ってはいたが、今回はできる限り我慢しようと思ってきた。

最初にそう思ってから状況はさらに変わり、今は昔の自分ならとっくに辞めている水準である。

親会社から短期の経営者を出向で寄越して、それが変わるたびに経営方針が変わるのは本当にやめてほしい。

こちらはその気があれば、あと30年近く働かなければならないわけである。

目の前の成果が大事なのはわかるが、それをやったがために後々にっちもさっちもいかなくなって困るのは、その時にまだ現役で働き続ける人間なのである。

今までの失敗の積み重ねの上に、今があるというくらいは理解してほしい。

いつもPDCAのDOくらいで終わるのだ。

やったことを検証して、失敗したならなぜ失敗したのか分析し、せめて同じ失敗を繰り返さないようにしてほしい。

「俺がやれば違う」と思って、同じ失敗を繰り返す御仁ばかりである。

以上、ただの愚痴。

 

それでも辞めないのは、今まで私が辞め続けてきたからである。

独り身は自由なもので、大して給与水準さえ変わらなければ辞めてもいいと思える。

自分が抜けることで残る方がどうなるか考えると多少胸が痛むが、それをもって自分の人生を変えてしまうのもどうかと思う。

私は人に変わることを期待しない。

変えられないものはどうしようもないのだから、自分から変えられる環境を変えるしかない。

サラリーマンなのである。

上からの指示がどんな指示でも、会社としての方針なら従うのが筋である。

いやなら辞めるしかない。

だから辞めてきただけである。

 

ある意味では根気がないとも言える。

我慢してまで同じ仕事や会社にしがみつこうという気がない。

それの繰り返しが今で、その結果が良いものだったとも悪いものだったとも思わない。

ただまた辞めると、世の中的にはただのジョブホッパー扱いである。

いや、実際にそうなのだからそういうレッテルを貼られても仕方ない。

そうなると次の職場が見つかりにくくなるのも道理である。

それならギリギリまで我慢して、なんなら本当に会社がダメになってから、新しい仕事を探す方が良い。

あとは今のポジションがなかなか替えの効かないものになってしまっているというのもある。

今回ばかりは与えるダメージが大きい。

長期的に見たら元通りにすることは難しくないが、そんな時間をかけている余裕はないだろう。

それは少しというかかなり、申し訳ないことである。

 

そんなあれこれを考えて、沈む船なら一緒に沈むつもりで仕事をしていた。

それでも私から見れば、状況は悪くなる一方だった。

目の前の状況は、数字は改善しているように見えるが、それはいわば血止めである。

血止めするだけなら、縮小均衡に走ればなんとでもなる。

問題はそのあと、反転攻勢をかけられるかである。

今の現状の方針変更からすると、おそらく攻勢に出る余裕はなくなる。

縮小したものが縮小したままで走らざるを得なくなり、そのうちジリ貧になる。

どうやってそこから先を戦っていくのかのビジョンがまったくない。

そのときになってからそれを考えるのでは遅いのである。

今、必死で血止めしている段階で、どうするか考えなければならない。

 

辞めない理由は他にもあって、結婚を考えているというのもある。

今、不安定になるわけにはいかない。

彼女の父親も堅い人なので、あまり良い顔はしないだろう。

彼女自身も賛成しないと思う。

状況は複雑で、私も十分に説得できるだけの材料はない。

将来的には今の会社にいることがマイナスに働く可能性が大きいということは、今すぐ辞めなければならないということにつながらない。

結婚するということは、自分の人生が自分だけのものでなくなるということである。

それくらいの常識は持ち合わせている。

だからじっと動かないでいる。

 

会社の同僚からも、状況がどんどんと悪い方に傾いているのに、いつものように批判の先頭に立たない私に「なぜ朱天さんは黙ってるんですか?」と言われる。

どうしようもないからである。

話してわかる相手なら話をするが、聞く耳のない相手に聞く耳持たせるだけの根気はない。

それにいざとなれば辞められるということが、私が自由に批判するための必要条件なのである。

残らざるを得ないなら、今ここでドンパチやることは最終的に良い方向に働かない。

今はまだ動くときではない。

勝てない戦をするつもりはない。

討ち死に覚悟で暴れるのは、討ち死にしていいときだけである。

 

だが、結婚して子供が生まれたりしてから、仕事を変わらざるを得ないとなると大変である。

まだ今のうちに手を打った方が、傷は浅くて済むかもしれない。

今の会社には退職金がない。

将来は退職金制度が作られるのかもしれないが、私はわからないものを楽観できる人間ではない。

ボーナスは辛うじて半年に1ヶ月分支給されているが、世の中の現状を考えると圧倒的に安い。

彼女の収入はあてにならないので、現状では将来の生活に不安がある。

 

そんなとりとめもないことを、とめどなく考えている今日この頃である。

昔は「家族のことを考えれば、嫌でも仕事を続けるしかない」、というようなセリフを吐く大人になりたくなかった。

そしてまさに今、そんな大人になろうとしている。

結婚しようと方針を変えたのは自分である。

守るべきものを作って、それを守ることを第一に考える生き方のほうが楽だと考えた。

自由より不自由な方が生きやすい、と私は思う。

それが実際にそんな状況になれば、やはり自由に自分の人生を決めて生きていける方がいいかもしれないと思うのである。

無い物ねだりで、まったくもって世話がない。

 

今はただ黙って状況を見守っている。

自分の選択の行く末を黙って見つめている。

どんな方向に転ぶにしろ、自分が選んだことに責任を持つ覚悟くらいはある。

思うに任せない人生である。

これくらいのことは些末で何でもないことなのだ。