異呆人

毒にも薬にもならない呟き

パワースポットの前に

先日、出張でローカル線に乗った。

途中までは快速で、後半はときどき山間を走りながらもまだ人里を走っている雰囲気はあったが、途中で乗り換えて単線を走る2両編成の列車に乗ってからは、ほとんど山を走っている感じだった。

出張経費についてうるさく言われることが増えたので、レンタカーを使わないのは仕方ない選択ではあったが、私自身はこういうのんびりした移動手段も好きだ。

移動している間はスマホのゲームもできるが、電波の届かないところを走る路線の場合は本を読むこともできる。

ほとんど休憩時間同然である。

訪問箇所を減らしてでも出張旅費を削るのが今の会社方針なので、仕事の仕方としては個人的には本意ではないが、嫌なことばかりでもない。

 

途中乗り換えるまでも乗り換えてからも、編成数が違うだけで、車両は同じようなボックス席だった。

乗り換えるまでの間、私の座っている隣のボックス席に、女性の3人組が座っていた。

年齢は私よりは少し上だろう。

アラサーとは言えないと思うが、アラフォーというのも忍びない。

そんな年頃の女性たちである。

割と大きな声でおしゃべりをしていたので、スマホゲームをしながら拝聴していた。

主に1人の女性が婚活について話をしていた。

占いとか東京大神宮などのパワースポットの話に始まり、婚活パーティで会った男性がどうだったとか、そんな話である。

他の2人のうち、1人は結婚して子供もいるような話しぶりだった。

が、残り2人の属性がほとんどわからないくらい、その1人が婚活トークを繰り広げていた。

婚活の話以外は、仕事の愚痴と体調がすぐれない話だった。

横でながら聞きしている私ですら気が滅入りそうな話なのだから、同じボックス席で聞かされているご友人と思しき2人はさぞ大変だろうと思った。

3人組はあまり人が降りないような駅で降車した。

どこに行ったのか定かではない。

 

結婚したいが良い相手が見つからないと言われても、思わず納得してしまう。

何がって、その聞く相手の気持ちを考えないトーク内容が、である。

まぁ、誰かに聞いて欲しかったんだろうな、とは思う。

でも、そんなに頻繁に会う相手でもないのだろう。

だったらたまに会うときくらい、もっと相手が興味を持ちそうな話をした方がいいと思うし、少なくともそんなちょっと重ためな身の上話をするのはどうかと思う。

たぶんそんなことに思い至らないことも、良い相手が見つからない原因の一つだと思う。

パワースポットを巡ったり将来を占ってもらう前に、考えた方が良いことがある。

恋愛や結婚だけでなく、普通に友人付き合いをする上で大切なことである。

親しき仲にも礼儀は要る。

 

こういうタイプの人は他責他罰思考の人が多いと思う。

だから状況を変えるときにも神様とか占い師とか、自分以外のものを頼ろうとする。

私は占いもパワースポットも信じていないが、それに効果がないとは言わない。

というか、起きた結果をそれらと関連づけることはいくらでもできる。

だから考えようによって「効果」がある。

ただ起こった良いこと(それがパワースポットや占いによってもたらされたとしてもいい)を、そういったタイプの人は生かせないのではないかと思う。

だからパワースポットを何箇所も巡ったり、占い師をハシゴするようなことになる。

何かしらそれによって良いきっかけや兆候があるなら尚更次のご利益を求めてしまう。

ただそうなるほど尚更、それを生かせない原因が自分にあると思ってほしい。

 

自分以外に原因を求める人は、痛みを嫌う傾向があると思う。

簡単に言うと、都合の悪いこと、批判に耳を貸さない。

結果を自分の都合の良いように解釈したがる。

もしくは結果の都合の良い部分だけにフォーカスしようとする。

むしろそういった人ほど、耳の痛い話をする人をそばに置いたほうが良いのに。

これは万人にとってそうだが、聞きたくない辛口なコメントをする人はそばにいた方が良い。

そして耳を傾けた方が良い。

もちろんただの嫉妬や勘違いから発せられる批判の場合もあるが、そうであるなら何のこともなく受け止められるはずである。

思わず遠ざけたくなるような意見ほど、図星だったりするものだ。

 

普段の人付き合いに限らず、仕事をする上でもそうである。

立場が上がるほど、自分が権利や権力を持つほど、耳の痛い話をする人を1人はそばに置いた方が良い。

Yesマンで周りを固める人ほど自滅する。

裸の王様である。

裸の王様は子供に指摘されてから改心すれば間に合うが、現実は裸を指摘されるような段階で取り返しがつかなくなっていることが多い。

普段から鏡をよく見ることが必要だが、自分で見ただけでは気付かないこともある。

後ろの襟が立っているのは、後ろから見てもらわないとわからない。

だからそれを指摘してくれる人をそばに置き、意見に耳を貸すことが必要だと思う。

 

話は戻るが、パワースポットとやらに行くなら、その寺社や史跡の由来や来歴くらいは調べているのだろうか。

まさか「パワースポット」というだけで訪れたりはしないか、他人事ながら心配してしまう。

日本人は寺だろうが神社だろうがお構いなしに初詣に出かけるような人がほとんどである。

私はそもそも神仏を信じないし、効果がないと思っているので気にしないが、効果があると信じて行くなら、例えば神社なら何の神様が祀られているかくらいは知っておいてほしい。

最近はわからないであろうことをいいことに、万能薬のように何にでもご利益があると謳う寺社も多い。

日本は八百万の神の世界なので、神様にもそれぞれに役割がある。

七福神だって7人いるのだから、それぞれに役割があるのは当たり前だろう。

寺なら本来神様はいない。

仏様に願掛けをするというのは、少し変な気がするのは私だけだろうか。

いっそ教会に行って良縁祈願するのが一番良い気がする。

唯一神は絶対で全能なのだろうから、良縁の手配くらい訳ないだろう。