異呆人

毒にも薬にもならない呟き

痩せ過ぎ注意

夏が来た。

すっかり暑くなり、食欲が減退して早くも夏バテ気味である。

お馴染みとなったクールビズは、うちの会社では6月くらいから早々に解禁されているのだが、さすがにノージャケットで半袖は7月からにした。

新入社員の頃はクールビズのタイミングがわからず、いつまでもネクタイを締めていたが、逆に客から「暑苦しい」と苦言を呈される始末だったので、以後は暑くなれば遠慮なくクールビズで通している。

暑くてもネクタイをする方が礼儀正しいと思っていた節もあったが、変に意地を張るより周囲の意見を素直に取り入れることも必要である。


半袖を着始めてから、立て続けに「痩せた?」と言われる。

断言するが、決して痩せていない。

元々痩せているので、これ以上痩せたら冗談ではなく死んでしまう。

軽装になって、身体のラインが見えやすくなっただけだ。

ちなみに「痩せた?」はこのシーズンだけでなく、久しぶりに会う人によく言われるセリフでもある。

繰り返すが、会うたびに痩せているようだったら、私はとっくに死んでいる。


幼い頃から少食で痩せ型だった。

親からたくさん食べろと怒られていた。

変わったのは、中学生になって陸上部に入り、長距離走を始めてからだった。

尋常じゃなくエネルギーを消費するので、自然と食べるようになった。

もちろん、全部消費するので体型は変わらなかった。

高校・大学の頃は典型的な痩せの大食いだった。

胃下垂ではないかと言われたこともある。

ほとんどフードファイトのような食べっぷりだった。


大学を卒業して仕事を始め、走る距離が少なくなった。

食欲は大して落ちなかったので、この頃が一番太った。

と言っても、175cmの身長で体重が60kgに乗る程度である。

世の中一般では、それでも十二分に痩せている。

それから転職して、節約生活を始めたりしているうちに、自然と食べなくなった。

大して走らないので、食べなくても困ることはない。

ただ、痩せている体型がさらに痩せてしまった。


ここ数年は健康診断で痩せ過ぎを指摘されている。

BMIが正常値を大きく下回っていることが問題らしい。

C判定で年1回の経過観察を要求されている。

痩せ過ぎで年1回の経過観察って、年1回体重でも測ればいいのだろうか。


女性からはよく羨ましがられるが、私は別に痩せたくて痩せているわけではない。

放っておくと痩せるのである。

痩せたいなら、食べなければいい。

食べたくて食べ、その結果太るなら、それはそれで幸せなことではないかと思う。

人生、いくつも欲しいものが手に入るわけではない。

食事の幸せか、理想的な体型のどちらが手に入るなら、1つだけでも十分でないだろうか。

ちなみに痩せる方法を聞かれることも多いが、いつも「運動するか、食べないか」だと答えている。

どんな科学的根拠があろうと、それ以外のダイエット法はまやかしだと思っている。

それに、この方法が一番早いし効果も大きい。


長生きするには、ぽっちゃりくらいがちょうど良いというのも、今ではよく知られた話になった。

痩せていて良いこともあまりない。

狭いスペースに身体が入るくらいである。

そんな能力が心底役立ったと思うことは、人生においてほとんどない。

何事も程々が一番である。

私は長生きしたいとは思わないし、太る努力をする方がめんどくさい。

たぶん一生このままだろう。

さぁ、これからしばらくは、判で押したような「痩せた?」という質問と付き合わなければならない。

で、健康状態を心配されたり、もっと食べるように言われるのである。

大きなお世話だ。