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異呆人

毒にも薬にもならない呟き

街コンのその後②

前回の続き。

syuten0416.hatenablog.com

前回の食事中に、私の趣味がランニングであることをAさんに話した。

皇居ランをすることもあると話したところ、「私もやってみたい」という話になった。

そこで別れ際、次は2人で皇居ランをしよう、となった。

私はAさんの体力レベルは知らない。

不安なことはいくらかあったが、まぁなんとかなるだろうと楽観した。

皇居は準ホームと言えなくもない。

今度はAさんから私の土俵に上がってくれたわけだ。

前回の流れから考えても、Aさんは私との関係をより良くすることに積極的だと感じられた。

私はどうだったかと言うと、いまいちピンと来ない感じだった。

経験がないからそうなのか、自分の感覚が正しいのかよくわからない。

だからこそ、もう一度会うことにした、というのもある。

 

しかし食事のときもそうだったが、お互いの予定がなかなか合わなかった。

やはり互いの仕事の休日が合うかは、交際までスムーズに至るか、また交際が順調に続くかに一定の影響があると思う。

ようやく日にちが決まったとき、それだけでめんどくさくなっていた。

さて当日、待ち合わせは大手町駅にした。

大手町駅ダンジョンなので避けたかったが、互いの移動の都合を考えると避ける方が難しい。

Aさんから少し遅れると連絡があったので、近くのタリーズで時間を潰したことを覚えている。

待ち合わせ場所も彼女は迷ったようで、大体の位置を聞いて私が迎えに行った。

あまり大手町ダンジョンには足を踏み入れないそうなので仕方ない。

 

Aさんは相変わらずの雰囲気だった。

マイペースと言えるかもしれない。

少なくとも緊張した感じは最初からなく、街コンのときから一貫してフレンドリーだった。

男性的には親しみやすいキャラクターだと思われる。

だが、どうも私との距離感を測りかねているような感じが身受けられるのが気になった。

彼女は自分の間合いで勝負できていない。

そんな感じ。

だとすれば、それは私のせいなのだろうが。

 

ランニングステーションはいつも私が使うところにした。

あえて勝手のわからないところにする意味はないだろう。

Aさんが彼女にとっての勝手のわからない状況を、どう受け止めていたかはわからない。

私はあまり深く考えず、いつも通り準備をした。

Aさんはちょっとオシャレなジャージ姿だった。

走るのに不向きではなく、かといってこなれ過ぎてもいない、ちょうどいい装備である。

私も普段ならTシャツと短パンで走るところだが、ペースが遅くなってやや寒くなるかもしれないことを見越し、パーカーを装備していた。

結果的にAさんとの服装のバランスは良かった。

 

肝心のランニングについては、Aさんは予想した通りのレベルだった。

ゆっくり走ったが、結局1周5kmを走り切れずに途中で歩いた。

普通の女性ならこんなものだろう。

まだ走れた方かもしれない。

Aさんが無理をしない程度に抑えていたとも思う。

少なくとも辛そうな感じはなく、気持ち良い運動といったくらいに収まった気がする。

それからシャワーを浴びて、軽く食事をした。

Aさんはスノースポーツが趣味らしく、毎冬スキー場に出かけていると話していた。

食事中には、そのときに友達と撮った動画を見せてくれた。

皆でソリに乗ってワーキャー言ってる動画である。

微笑ましいなと思ったが、やはりノリというかタイプが違うなと感じた。

 

たぶんAさんは私にかなり合わせていた。

私はバカなことも好きだが、見た目や雰囲気は落ち着いたタイプである。

私が少し歳上だったこともあるかもしれない。

Aさんは明らかに遠慮して、私と距離を詰めるタイミングを見失っていた。

きっとAさんは接近戦で魅力を発揮するタイプである(物理的な意味だけでなく心理的な意味でも)。

そのフレンドリーさを武器に相手の懐に飛び込み、軽いボディータッチとかを交えながらコミュニケーションを取れば無敵だろう。

私は仕事なら相手の懐に入ってインファイトするが、普段は中長距離でライフルでも打ち合っている方が好きなタイプである。

だからそのときのコミュニケーションの間合いは、私の間合いではあってもAさんの間合いではなかった。

 

そしてAさんが遠慮していることが、私の居心地の悪さにもつながった。

何かお互いにとってズレを感じさせるのである。

身も蓋もない言い方をすれば、最初の感覚通り、相性が悪かったのだ。

それはAさんも感じていたと思う。

私は別れ際、最後に「だいぶ俺に合わせてるでしょ」と聞いた。

彼女はそれまでで初めてしおらしくなり、黙って頷いた。

それ以来、もう会うことはないだろうと思っていたし、実際に会ってもいない。

連絡すら一度も取っていない。

まあAさんは美人なので、きっと彼氏はいくらでもできるだろう。

ちょっとノリの軽い、でも意外と義理には厚いタイプの男性がお似合いである。

小さな不満はあっても、ぶつかるほどに仲が深まる感じ。

そんな勝手な妄想で、Aさんの幸せを祈っている。