異呆人

毒にも薬にもならない呟き

街コンのその後①

先日、街コンの思い出を記した。

http://syuten0416.hatenablog.com/entry/2016/05/31/210830

 

3R戦い、連絡先を4人分入手したわけだが、そこからが問題である。

私には恋愛経験がなかった。

興味がなく取り組んでこなかったのだから当然だ。

逆にそのときは、自分という人間が恋愛という市場、あるいは戦場において、どの程度通用するのかリサーチするつもりだった。

アラサーになってようやく、というのが笑い話だが。

まぁリサーチではなく本当に付き合いたいと思える相手が見つかれば、それが一番良いことではある。

 

とりあえず、連絡先を交換した相手にお礼のメールは送った。

街コンでは男女ともに2人組だった。

当然、2人組の両方にアプローチするわけにはいかない。

一緒に街コンに参加するくらいだから仲が良く、情報交換も密に行われるだろう。

なので2人組×2のそれぞれ片方にだけ、お礼のメールに今度ご飯でも行きましょうと入れておいた。

2人ともから「ぜひ」という返事があった。

ちなみに一緒に参加した友人が一番好印象を持った相手は外してある。

街コンの参加目的が、友人が彼女を作ることだったのだから当然だ。

 

さてどうしようかと考えていたら、その中のAさんからメールが届いた。

Aさんはウェディングの仕事をしている2人組のうちの1人だった。

私の評価では街コンで出会った女性では一番可愛かった。

小柄で小顔で目が大きく、少しハスキーな声で甘めの話し方をする。

男好きしそうだな、昔はギャルだったろうな、というのが私の感想だった。

ちなみにそれは私とは折り合いが悪そうな、普段なら避けるタイプである。

だが食わず嫌いというか、見かけで判断するのは良くないと思った。

とりあえずはコミュニケーションの練習である。

 

Aさんからのメールの内容は、私の住んでいたところの最寄り駅で友達とランチをすることになったが、どこか良いところはないか、という相談だった。

そういえば住んでいるところの方面が同じだとか、そんな話をした。

ここが美味しいとか、でも混雑するとか、そんな内容のメールを交わした。

少しやり取りをする中で、Aさんの地元の近くでも美味しい店があるとかで、でも行ったことがないという話になったので、じゃあ今度一緒に行こうよと流れで誘ったらあっさりOKだった。

私は女性を食事に誘うのは初めてだったので、少し拍子抜けした。

というか、だいぶAさんも誘われるように誘導してきた感じがした。

練習なのでイージーモードだろうが何だろが、この際構わない。

 

ただ予定がなかなか合わなかった。

こちらは土日休みで、あちらはシフト制である。

私は休日は腐るほど溜まっているので、ついでだからそれを消化して、平日に会うことにした。

時間もランチにするつもりだったのがディナーになった。

店は決まっている。

Aさんの地元なので私からすればアウェーだが、そもそも私にはホームグラウンドがないのでどこでも同じである。

別にAさんを口説き落とすつもりではないので、ノープランで流れに任せて様子を見ることにした。

 

店はカジュアルなイタリアンだった。

食事も美味しかったし、会話も楽しかった。

気になったことがあるとすれば、彼女が自分の分のパスタを「食べ切れないから食べて」と回してきたことだ。

私は口を付けた食事をシェアすることに抵抗はないが、なんというか、いきなり高めの直球を投げられた気分だった。

 

その後、もう1軒行こうとなった。

Aさんは飲めないのでどこかでお茶でもしようかと思ったが、食事中の会話でお互いカラオケが好きだという話になったので、Aさんの発案でカラオケに行くことになった。

別に私に取って喰うつもりはないが、初めて出かける男と2人でカラオケって、女性からすれば不安でないのだろうか。

警戒心がないのか、はたまたこれもAさんの戦術か。

女性と食事が初めてなのだから、女性とサシでのカラオケも当然初めてである。

 

何を歌えばいいかわからなかった。

レパートリーはそれなりなので、Aさんにリクエストしてもらってそれを歌った。

自分が歌った曲のほとんどは忘れてしまったが、レミオロメンの「粉雪」をリクエストされて喉を潰したことだけは覚えている。

あまり公言することはないが、歌は得意である。

Aさんも驚いていた。

隠し武器ではあるのだが、まさか本当に使うことになるとは、と思った。

 

そしてAさんは上手だった。

さすがに自分から誘うだけはある。

しかもジュディマリのような私の世代のストライクゾーンから、YUIの「CHERRY」のようなキラーコンテンツまで並べてくる。

そして極め付けはドリカムの「大阪LOVER」だった。

私が大阪出身であることを知って歌ったのだから、かなり攻めている。

打てるものなら打ってみろと、ど真ん中に放り込まれる豪球である。

ちなみにカラオケ内での2人の距離は適切だった。

そもそも私のパーソナルスペースは広いし、こちらは全くの様子見モードである。

 

その日はカラオケが終わったあと、すぐに別れた。

私が遊びたいだけの男なら、いろいろやりようはあっただろう。

だがAさんのような魅力的な女性にここまで踏み込まれて、ドキドキどころかドギマギしかしなかったことが自分にとって残念だった。

終始冷静に観察してしまった自分に腹立たしいくらいだった。

恋愛経験がなくても、そのときの自分の状態が恋愛とはほど遠いことはわかった。

 

普段ならここで心折れるところである。

だがそのときはせめて2回は会おうと決めていた。

もしかしたら、次会うときはガラッと印象が変わるかもしれない。

自分に我慢を言い聞かせて。

幸いにも、そのときに次の約束はできた。

 

続く。。