異呆人

毒にも薬にもならない呟き

結婚する人生、結婚しない人生②

私のこれまでの人生はかなりふらふらしたものだ。

大学で実家を遠く離れ、就職しても今度はまったく違う土地に行った。
20代で2度、転職もしている。
端的に言えば、決めない人生だった。
進む道を絞らずに可能性を残し続けた。
やりたいことも見つからず、自分にとっては生きてても死んでもどっちでもいい感じだった。
 
そのままふらふら生きててもいいと思ったし、独りで生きていく準備もしていた。
それが30歳になって心変わりした。
いや、その前から徐々に気持ちが変わってきたのが、年齢と共に吹っ切れたと言うのが正しい。
自分の可能性を諦める、自分の現状を受け入れる決心がついた。
加齢による体力と能力の低下は感じるし、相変わらず自分にとっての「何か」は見つからない。
新しい職場ではそれなりの評価は得られ、このまま骨を埋めることも考え始めた。
ひとところに留まり、安定するつもりなら、私が結婚することで受けるデメリットはない。
 
そう思って彼女を探し始め、出会ったのが今の彼女である。
思考の順番が違うと言えるかもしれない。
出会って好きになって、付き合っていくうちに結婚を考えるのとは違う。
結婚するつもりで相手を探し、良い人だったので付き合い、徐々に好きになっていった。
言わば、昔のお見合いみたいなものである。
実際、私はネットの婚活サイトで彼女と知り合っている。
 
漠然と結婚しないだろうなと思っていたときは、そういう孤高の人生を貫くのもいいなと思っていた。
今でもそれは十分に魅力的な選択肢である。
ただこのまま成すべきことも見つけられずに人生を終わるくらいなら、せめて一番身近な人だけでも幸せにできる人生を選ぶのも一つだなと思うのである。
それを自分の成すべきことと定められるなら。
結婚する人生と一度も結婚しない人生は、どちらかしか選べない。
子供を望むなら、男性にだってタイムリミットはある。
諸々を考えた結果、私は結婚する人生を選ぶことにした。
今になっては、決めてしまう方が決めないで進むより遥かに楽だと感じる。
 
それはどちらを選ぶかという問題であって、どちらが良い悪いというものではない。
ついでに言うと、結婚は相手のあるものなので、望めば必ずできるものでもない。
でも離婚を念頭におかないなら、どちらかしか選べないものではある。
そして結婚は、するつもりのない人にはできない、相当の決心を必要とするものである。
 
もしかしたら、結婚して10年後、20年後、後悔する日が来るのだろうか。
たとえ離婚するようなことがあったとしても、結婚を後悔するようなことはしたくないな。
まぁ、する前から考えることではないな。