異呆人

毒にも薬にもならない呟き

同一労働同一賃金の行く先

私は日経新聞を読んでいる。

新卒で働き始めて以来ずっと。
最初は仕事で役立つから読み始めたのだが、その後転職を繰り返し、今の仕事では出番はほとんどない。
しかし自分が経済に興味を持つきっかけになったし、今も単純に面白いと思うので読み続けている。
 
さて、最近、安倍首相が同一労働同一賃金とか言い始めた。
私はもともとこれには概ね賛成だと思ってきた。
が、今安倍さんが言うことに、唐突過ぎて若干違和感がある。
以前から、確か民主党がそんなことを言っていた気がする。
 
いわゆる正規と非正規の賃金格差が問題になっている。
それが貧困のもとだと言われたりする。
その因果関係はともかく、貧困は万病のもとだと思う。
身体的にもだが、もっと社会的にである。
 
安倍さんは格差解消のために非正規の正規化を唱えてきたように思う。
併せて政府から異例の賃上げ要求をすることで、賃金格差や貧困の解消に取り組む姿勢を見せてきた。
景気の回復が国民に実感できるように、また消費税増の痛みが和らぐように。
ぶっちゃけ支持率のためというのが一番だろうが。
 
ただ非正規の正規化というのは、万人が望むものではない。
ライフスタイルの多様化で、非正規で働く方が合う人もいる。
少数ながら好んで非正規を選ぶ人もいる。
賃金格差が問題なら、正規でも非正規でも同じ仕事をすれば同じ給料が貰えるようにすればいいんでしょ?
というのが、同一労働同一賃金のザックリとした中身だろう。
正規と非正規という呼称がナンセンスで、有期と無期とかの雇用形態で考えるべきだという人もいる。
 
細かい枝葉の議論は置いておいて、実際に同一労働同一賃金になったらどうなるだろう。
いわゆる非正規の待遇が実質的に上がるのであれば、程度の差はあれ正規の待遇は多少悪化するだろう。
待遇が並ぶのであれば、従来の正規と非正規の差は雇用期間に絞られてくるのではないか。
そうすると、有期雇用の人の不安定さは解消されないではないか。
 
私はそれでいいと思う。
企業が有期雇用で人を雇うのは、それを雇用の調整弁として景気の波を乗り切るためである。
これは仕方がない部分もある。
雇用を守って企業が倒産するなら元も子もない。
むしろ逆に解雇規制を緩和して、労働力をもっと流動化すればいいと思う。
全員が不安定な雇用に近くなるわけだが、格差を問題にするならこれで差は縮まる。
少なくとも日本は現在は労働力不足の状態であるし、技術革新で人間の仕事が減っても、人口減少で将来的にも労働力は不足するのではないかと思う。
 
ただこうなったとき、全体の待遇は低位安定してしまう気がする。
人によっては仕事のない期間が長くなったり、定昇が少なくなって生涯賃金が下がったり。
そこでさらに、定年を完全撤廃して皆が働けるところまで働いてはどうだろうか。
働く期間が長くなることで、生涯賃金の低下をカバーする。
社会保障も抑えられそうに思う。
もちろん、故あって働けない人のためにセーフティネットを充実させる必要はある。
 
皆がリタイアせずに、細く長く健康で働き続けられればいい。
老若男女を問わない、文字通りの「一億総活躍」にならないだろうか。
私は同一労働同一賃金のさらに先に、そんな未来がありそうな気がしている。
まぁ、世迷い言は寝る前に呟いて、明日の仕事のためにさっさと寝ます。
私みたいな小市民は、そんな大局的な話より、目の前の食い扶持が大事なのです。